ビットトレントシステムの利用に伴う意見照会書を受領した方へ


この記事を書いた弁護士
代表弁護士 呉 裕麻(おー ゆうま)

出身:東京  出身大学:早稲田大学
ここ数年、数百件のトレント案件(トレント利用者側)に注力している。単なる示談での解決ではなく、ログ保存期間を踏まえての示談や、ケースによってはそもそも示談を拒否すべきとして案件処理にあたっている。
現在、拠点のある岡山や香川に留まらず全国各地(北海道から沖縄まで)からオンライン(ZOOM利用)にて相談のみならず、受任対応を続けている。


※近場、遠方を問わずZOOM相談ご希望の方はご遠慮なくお申し出ください。


1 ビットトレントシステムに関する意見照会書・開示請求が急増しています!

ここ数年、ビットトレントシステム(BitTorrent)の利用に伴い、ご自身の利用したインターネットサービスプロバイダー(プロバイダー・ISP)から、発信者情報開示請求に伴う意見照会書をご自身もしくはご家族が受領したとして、法律相談のお申込みを受けることが急増しています。

このケースで最も多いのは、アダルトビデオの製作会社等からの開示請求を受けたプロバイダーからの意見照会です。

すなわち、現在、アダルトビデオの製作会社等は、トレントによる違法ダウンロードに関し、弁護士に依頼の上で無数の案件について、発信者情報開示請求を行っているところ、プロバイダーはその意見照会書を契約名義人に発送するのです。

製作会社は、自社の作品に関し、著作権法に基づく著作権を有するので、その権利が侵害されたとして開示請求を求め、これを受けたプロバイダーが意見照会書を発送しているということです。

その結果、ある日突然、ご自身の手元に意見照会書が届き、慌てて弁護士を探すケースが増えているのです。

当事務所でもここ数年、非常に多数の案件についてご相談、ご依頼を受け、この問題に対処してきました。相談件数では、ここ数年で数百件とかなり多く、ある意味で「異常」な状態にまで達しています。

また、このような大量の開示請求の特徴を示すものとして、Google検索では「トレント 示談金ビジネス」とのサジェストワード(検索候補ワード)が表示されるようにまでなっています。

これはすなわち、特定の作品に関し、大量の開示請求を通じてアダルトビデオの製作会社が示談金を請求し、ぼろ儲けしているとの推察が広がっている結果だと思われます。

実際、当事務所でもこの点についてのご質問を頂戴することがあります。

この点にお答えすると、製作会社が「正当な範囲で」著作権侵害に伴う損害賠償金として示談金を受け取ること自体は直ちに違法ではありません。

問題は、具体的にいくらの賠償金が妥当なのか(相場なのか)、もしくはそもそも製作会社が主張するような権利侵害が肯定されるのかという点にあります。

したがって、単にこの「示談金ビジネス」との言葉に踊らされるのではなく、ご自身の置かれた状況に照らし、法的に何が正しいのかをきちんと見極めることが大切です。

【発信者情報開示に係る意見照会書】

「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」(第5版)より

2 意見照会書を受領した際になすべきことは?

ある日突然、意見照会書を受領し、その内容を見て対処に慌てることと思います。

特に、

回答期限として1週間ないし2週間と限定されていること(プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン(以下「ガイドライン」といいます。)では、回答期限として2週間を想定していますが、プロバイダーによっては1週間と設定しているところがあります)

内容に関し、アダルト動画の利用が原因のため、家族や友人などに相談しにくいこと

慌ててネットで情報を収集しようとすると、掲示板にある情報や、弁護士事務所の広告記事などたくさんの情報が表示され、内容の峻別や判断に迷うこと

そもそもビットトレントシステムを利用した、使用した覚えがない、開示請求の対象となっているファイルに見覚えがないケースもあること

から具体的な対処に困ることが多いようです。

とはいえ、意見照会書を受領して最初にするべきことは、意見照会書に対してどのような回答をするかを決めることです。

そして、その回答の方法としては、開示に対して同意で回答をするか、不同意で回答をするかの2点です。

その他、そもそも回答をしない(無視する)との対応も考えとしてはありますが、回答をしないということは、ガイドラインでは、「開示に関して特段の主張を行わないもの」として扱うこととなっています。

なお、意見照会書の回答期限に関し、これを超過することを過度にご心配する方がとても多いです。

この点、回答をしなかったからといって、「同意をした」とみなされる訳ではなく、回答をしないということは、上記のように「開示に関して特段の主張を行わないもの」と扱われるだけです。

しかも、そもそも回答期限自体、回答のための「目安」に過ぎず、これを一日でも過ぎたら即座に回答受付を締め切るというものでもありません。

なので、回答期限が気になる場合には、プロバイダーに対して回答期限の猶予を求める(どのプロバイダーにおいてもこれはまず間違いなく受け付けます)ようにしてください。

とにかく、「慌てて結論を決めないこと」が大切です。

意見照会書に即座に回答をしないと逮捕されるということもありません。即座に裁判になることもありません。ご安心ください。

3 弁護士への相談は必要か?

意見照会書を受領したことを踏まえ、ご自身での情報収集も経て弁護士への相談を検討することもあると思います。

というのも、ネット上の情報については、何をどの程度信用して良いのかどうか、自分の置かれた状況と同じかどうかの判断が付かないことから、自分の抱える悩みや不安を完全には払しょくし切れないこともあるためです。

そうしたことからすれば、ご自身のご不安、ご心配を少しでも解消するために、この分野に詳しい、経験のある弁護士に相談をすることは非常に有効だと言えます。

当事務所でも、「ネットで情報を収集したけれども不安が払しょくできない。」としてご相談をお受けすることが多々あります。

その際にご注意頂きたいのは、少なくとも、「すぐに示談しないと大変なことになる」「刑事告訴される」などの言説に捕らわれないことです。

不安な気持ちから藁をもすがる思いでネットで検索してすぐにヒットした先に相談を持ち掛け、慌てて依頼をしたものの、落ち着いて考え直し、当事務所にご相談、ご依頼をし直す方が少なくありません。

あくまで落ち着いた対応を強くお勧めします。

なお、当事務所では、ビットトレントシステムの利用に伴う意見照会書の受領やその対応、アダルトビデオの製作会社等からの通知書(内容証明郵便)を受領した方への助言に関するご相談については30分あたり5,500円(税込)にて対応しています。

また、当事務所は、岡山県、香川県にオフィスを設ける法律事務所ですが、ここ数年はオンライン(ZOOM)での相談を広く活用しています。

ZOOMはスマホやPCで簡単に利用できますので県外、遠方であっても十分にコミュニケーションをとることが可能です。ご遠慮なくお申し付けください。

また、ZOOM利用でのご相談の際には、アプリをダウンロードし、当方からのリンクにアクセスしてもらうことで利用ができるようになっています。ご相談前にアプリのダウンロードをお願いします。

また、当事務所ではビットトレントシステムの利用に伴う意見照会、損害賠償請求の問題に関し、様々な観点からQ&Aを作成しています。こちらも併せてご参照ください。少しでもご不安の解消にお役立ちできればと思います。

4 解決までの流れについて

⑴解決までの流れの概要

次に、意見照会書の受領から、当該事案の最終的な解決までの流れをご説明いたします。

なお、別のページにも解決までの詳しい流れをご紹介しています。併せてご確認ください。

まず、大まかな流れは以下のとおりです。また、最終的な解決までは半年から1年、さらにもう数か月を想定しています。

ただし、これは「ログ保存期間の超過を待って、それ以上の開示が来ない事を念頭に置いた解決」の場合です。

そうではなく、「現時点で届いている意見照会書を踏まえて早期に示談にて解決をすることをご希望」の場合には、その旨をお申し付けください。適切な解決をご案内いたします。

なお、「二度目の開示請求が来るかどうか、その可能性はどの程度か?」ということについて非常に強い不安を感じることかと思います。

この点、たまにあるのが、「一度目の開示請求の際に依頼した弁護士に二度目(二社目)があるかを聞いたところ、『稀にあるがそうそうはない。』と言われて信じたが、二度目(二社目)が来てしまった。」とのきっかけで当事務所にご相談を頂戴することも複数あります。

この、「二度目(二社目)が稀」という点に関してご説明すると、これは完全に誤りではないかと思います。

すなわち、とりわけ最近は開示請求をしてくる製作会社の数が非常に多いことから、過去にトレントでアダルトをそれなりの期間に渡り、複数ダウンロードしたことがある方の場合には、二度目(二社目)が来る可能性が高いと思っておいた方が間違いがないと考えます。

なので、手元に届いた意見照会だけの示談ではなく、その後も続く可能性があることを念頭に、届いた意見照会書への対処を考えるべきなのです。

ログ保存期間の超過を待って、それ以上の開示が来ない事を念頭に置いた解決】の場合  


    

    

⑵①意見照会書に対する回答について

答に対しては、上記のとおり同意で回答をするか、不同意で回答をするかを決める必要があります。

この点、そもそもトレントシステムの利用がないケースであれば不同意で回答書を作成することとなります。

その際には、利用をしていないこと、使用していないことを理由の欄に明記する必要があります。

利用をしていないケースの一番の典型例としては、自宅のWi-Fiを自分以外の者が利用し、その他人がビットトレントシステムでアダルトビデオをダウンロードしたようなケースです。

プロバイダーの契約名義人の同居の家族や、友人、知人による利用などのケースです。場合によっては、隣家の住人による利用も可能性としてはあり得るかと思います。

その他、ビットトレントシステムは利用したものの、当該開示請求の対象となっているファイルには見覚えがないケースもあり、そのような場合にも不同意で回答をすることがあります。

以上の不同意での回答以外の場合には、同意で回答をするようになります。

  

  

⑶②意見照会書の回答を踏まえたプロバイダーの対応

意見照会書に対して同意で回答すれば、プロバイダーは開示請求者に対して、契約名義人の氏名、住所等の情報を開示することとなります。

発信者から開示に同意しない旨の回答を得た場合又は一定期間経過しても回答がない場合には、請求者から提出された資料等に基づき、「権利が侵害されたことが明らか 」(プロバイダ責任制限法4条1項1号)であるかどうかについての検討をし、これが認められると判断した場合には開示をします。

この点、プロバイダーの多くは不同意での回答を受け付けた場合には通常は非開示の判断をします。

しかし、一部のプロバイダーにおいては、不同意で回答をしても開示の判断をするところがあるので注意が必要です。

さらには、そもそも契約名義人に対して意見照会書を発出せずに開示の判断をするプロバイダー(ソニービズネットワークス株式会社など)もあるので注意が必要です。

   

⑷③開示請求者による発信者情報開示命令申立について

プロバイダーからの意見照会書が届くよりも先に、実は既に開示請求者からプロバイダーに対して発信者情報開示命令の申し立てがされていることが多くあります。

発信者情報開示命令の申し立て自体は、プロバイダーを相手方とするものであることから、契約名義人とすると、プロバイダーからの意見照会書を受領して初めてこの申し立てがあったことを知ることになります。

この点、プロバイダーに対して意見照会書を同意で回答するなどしていれば、発信者情報開示命令申し立て手続きの途中で、プロバイダーから契約名義等の情報開示がされます。

他方で、不同意で回答をするなどした場合には、プロバイダーからの開示はされず、結果的に発信者情報開示命令の発令が裁判所からされるまで契約名義等が開示される事はありません。

この信者情報開示命令の発令までは半年から1年程度かかることがありますので、結論が出るまで相当長期間待つこととなります。

また、開示請求者は、1度の発信者情報開示命令申し立ての際に同時に数百の発信者ログの開示を求めることが通常です。

そのため、意見照会書に添付された発信者情報開示命令申立書や資料に無数のIPアドレスが列挙されていることがあります。

これはすべてが意見照会書を受け取った方の利用によるものということではなく、他の利用者のIPアドレス等が記載されているものと考えてください。

それくらい多数の開示請求が起こされているのが実情です。

 

⑸④製作会社との示談交渉の開始

意見照会書に同意で回答をした場合、もしくは不同意で回答をしたものの、プロバイダーから任意で開示がされた場合、さらには、発信者情報開示命令の結果、開示に至った場合には、以後、製作会社との示談交渉を行うこととなります。

具体的には、製作会社の代理人弁護士が開示結果を踏まえて通知書を送付してくることとなります。

製作会社の代理人弁護士は、主にITJ法律事務所もしくは赤れんが法律事務所となっています。

いずれの法律事務所から届く通知書においても、示談の申し入れとして一定額の示談金の提示があります(ITJ法律事務所からの通知の場合には、個別合意として33万円、包括合意として77万円)。

また、ITJ法律事務所からの通知書には、当該ファイルのダウンロードないし、アップロードに基づき、具体的に製作会社が被ったとされる実損害の計算が明記されています。

この実損害の計算は、知財高裁の判断を念頭に置いたものとなっていますが、利用者がいつまでトレントの利用をしていたか、当該ファイルを保有していたかが考慮されていないので計算上の注意が必要です。

いずれにしても、示談の申し入れを受けて、その内容に納得ができるようであれば、示談に応じ、高額すぎるとか、納得ができないようであれば、示談を拒否するようになります。

この示談の当否の判断に迷った際に、改めて弁護士に相談をすることも有効です。

当然、示談交渉を弁護士に依頼してもらうことも可能です。弁護士に依頼をしてもらえば、以後の交渉や、プロバイダー・相手方とのやりとりは直接ご本人で行う必要もありません。当然、内容証明郵便が自宅や会社に届くこともなくなります。

検討の結果、示談をすれば、合意書を交わし、示談金を支払うこととなります。

示談の際に、いわゆる包括合意を選択すれば、当該製作会社との示談は全て完了し、仮に以後その製作会社の他のファイルについて利用が明らかとなったとしても、責任追及される事はありません。

他方で個別合意を選択した場合には、当該ファイルに限っての示談になるので、他のファイルの利用が見つかった際には違約金の請求がされることとなるので、注意が必要です。

なお、最初から製作会社と示談をするつもりの方の場合には、示談自体は製作会社の代理人弁護士と簡単に交わす事ができます。そのため、単に示談をするためだけに弁護士を依頼する必要はありません。ご自身で相手方弁護士に連絡すれば、すぐに合意書、和解書を送付ないし電子送信してくれます。

というのも、製作会社の意向としては、示談の条件はほぼ変わりなく固定しており、その条件を細かく変更することは開示を受けた側の弁護士であっても難しいからです。

結局、単に示談をするために弁護士を依頼しても、相手方弁護士との示談書の仲介をする役割を果たすに過ぎません。

それだけのことに多額の弁護士費用を払う必要はまったくありません。

ご自身が弁護士に依頼する意味はどこにあるのか、①単に示談書の取り交わしのためなのか、②減額交渉のためなのか、③支払い拒絶のためなのか、④追加で届く意見照会に対する備えなのかを良く見極めてください。

繰り返しになりますが、①単に示談書の取り交わしのためだけなら弁護士の選任は必要ありません。弁護士費用がもったいないだけです。

それにもかかわらず、ネットでは、このことを明らかにせず、あたかも弁護士介入の結果としてすぐに示談ができた、できると謳う記事が見受けられます。

しかし実際には、製作会社の代理人の言いなりの示談書を仲介するだけの弁護士がいるようです。

私はこのような事件処理のあり方には強く疑問を感じます。

⑹⑤ログ保存期間の経過について

冒頭から述べているように、現在ビットトレントシステムの利用に伴うアダルトビデオの製作会社からの開示請求は急増しています。

それは① 同一のファイルに関し、多数の利用者を相手とする開示請求が増えていることに加え、② 多くの製作会社が次々と開示請求を様々なファイルに関して起こすようになっているからです。

そしてこれら開示請求は、プロバイダーに残された発信者情報ログがある限り可能となっています。

言い換えると発信者情報ログの保存がなくなれば、以後は開示請求を受ける事はなくなります。

そのため、この問題の解決にあたっては、ご自身が契約するプロバイダーにおいて、具体的にどの程度の期間発信者情報ログが保管されているかを確認することが非常に重要です。

ただし、プロバイダーによっては、ログの保存期間を公開していないところも少なくありません。

とは言え、一般的にはログの保存期間は3ヶ月か6ヶ月程度のところが多く、長いところで1年程度となっているものといえます(8 プロバイダーのログ保存期間についてもご参照ください。)。

このことに加えて、最近ではプロバイダーに対する発信者情報開示請求が急増していることから、開示請求の申し立てがなされてから意見照会書が契約者のもとに発送されるまでに、相当長期間を要するケースも少なくありません。

そして、当事務所では、次々と開示請求がなされること、次々と示談金を請求されることに対する不安を考慮し、最終的な示談を取り決める、もしくは示談を拒否するとの判断は、プロバイダーのログ保存期間の経過を待ってからとする運用を採用しています。

そうすることで、ご自身が負担することとなる賠償金の額を全て確定させてから示談に進めることが可能となるのです。

時に、すぐに示談を勧められたり、不安に駆られて言われた通りの示談に応じてしまうケースが見受けられますが、その後また追加で意見照会が届いたなどと言う結果、慌てて改めて当事務所にご相談に来られる方が後を絶ちません。

繰り返しになりますが、「すぐに示談をするべき」「そうしないと刑事告訴される」などの言説には注意が必要です。

このような言説に惑わされて弁護士に依頼をしないようにご注意ください。何となく「弁護士に依頼をしたこと」で安心感を覚えると思いますが、高い費用を払って、単に相手方弁護士の言いなりの示談書を交わしてもらうだけなら依頼の意味はありません。

  

⑺⑥製作会社との示談の当否の判断

以上のようにログの保存期間の超過を待ってから、製作会社との示談の当否を判断しています。

実際、当事務所が介入した案件では、受任通知の発送からログの保存期間が経過するまでの間、相手方弁護士から期間の猶予に特段の異議を述べられた事はありません。

そして、最終的な開示請求の件数を踏まえて、どのファイルに関しては示談をするか、どの製作会社との関係では示談をするかを見極めています。

示談が成立した場合には、合意書を取り交わし示談金の支払いをしています。示談の条件としては今回の件に関し、民事上も刑事上も責任追及しないこと、当然、刑事告訴をしないことなどを内容としています。

また、示談金の支払いに関し、依頼者の方からは分割の希望を言われるケースも少なくありません。

この分割払いのケースに関しては、2024年7月から分割払いの総額を増額するように、ITJ法律事務所から提示がありました。

具体的な分割の回数と支払い総額は添付のとおりです。

したがって、分割での示談を考える際には、増額にならざるを得ない点、考慮が必要です。

【ITJ法律事務所 分割和解金額】(弁護士法人ITJ法律事務所より)

5 ビットトレントシステムの利用に伴う損害賠償額について判断した事例について

ビットトレントシステムの利用に伴いアダルトビデオの製作会社が被った損害額をいくらと算定すべきかについては、これまで3つの裁判例が存在します。

これらを十分によく理解しておくことで、ご自身が負担すべき責任の内容を掴むことができると思います。

また、これら裁判例についての解説は以下のページをご参照ください。当事務所では、いずれの裁判例についても裁判記録を閲覧、確認、検討をし、ビットトレントシステムの利用に伴う損害賠償請求の事案にあたっています。

   

6 当事務所の解決事例、解決実績について

当事務所では、年間数百件のトレントのご相談、ご依頼をお受けしています。その中では、示談にて解決した事例も多数あり、他方で示談を拒否することで解決した事例も多数あります。

残念ながら示談で解決した事例は、口外禁止条項があるため詳細をご紹介することはできません。

他方で、示談を拒否して解決した事例については、以下のとおり、その一部を公開していますのでご参照ください。

   

7 当事務所の弁護士費用について

ビットトレントシステムの利用に伴う意見照会、開示請求に関する弁護士費用は以下のとおりです。他の弁護士、他の法律事務所と比較の上でご検討ください。

とりわけ、「追加で他社からの開示請求があった際に、いくらの費用追加が必要になるのか」を良くご確認ください。最近は追加の開示請求がかなり増えています。なので、今手元に届いた1通の意見照会書だけでなく、その後の対応も含めた費用を想定するようにしてください。

また、当事務所では、繰り返しご説明しているとおり、1~2週間での示談での解決などはお勧めしておりません。ログ保存期間の経過を見極めてからの結論としています。そのため、解決までは長期間となりますが、安心の解決に繋がりやすくなります。

依頼後、すぐさま示談をするだけなら弁護士に依頼をした意味はどこにあるのか、良くご確認ください。繰り返しになりますが、単に相手方弁護士からの提示条件に従うだけなら弁護士介入の必要はまったくないです。

なお、当事務所では当然、上記の期間中の相手方弁護士とのやりとりはすべて当事務所にて対応します。

解決を急かされたケースもありませんのでご安心ください。

【ご相談料】


5,500円(税込)

【ご依頼の費用①~通常のプラン~】


着手金22万円、報酬11万円

(他社からの追加の開示請求の際には追加着手金5.5万円、報酬11万円)

【ご依頼の費用②~おまとめプラン~】


着手金30.8万円、報酬30.8万円

(何社から開示が来てもこの金額ですべて対応します)

    

8 プロバイダーのログ保存期間について

以下、参考までに当事務所で把握している各プロバイダーのログ保存期間を掲載しておきます。

なお、プロバイダーは全国に無数にあることから、まだ確認ができていない会社も多数あります。今後、確認ができ次第、情報を更新する予定としています。

【各プロバイダーのログ保存期間】


プロバイダー名            ログ保存期間       
浜松ケーブルテレビ株式会社最低6か月 その後上書きされていく
笠岡放送株式会社3か月
井原放送株式会社3か月
中部テレコミュニケーション株式会社1年、長いと2年 
株式会社トコチャンネル静岡1年
鹿沼ケーブルテレビ株式会社6か月
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社非公開
大分ケーブルテレコム株式会社最低3か月~6か月
株式会社TOKAIコミュニケーションズ6か月
ビッグローブ株式会社おおむね6か月
株式会社エネコム(旧:株式会社エネルギア・コミュニケーションズ)  1年
株式会社倉敷ケーブルテレビ6か月
株式会社ケーブルメディアワイワイ16週(約4か月)
知多メディアスネットワーク株式会社1年
株式会社秋田ケーブルテレビ1年
株式会社朝日ネット6か月
姫路ケーブルテレビ非公開
ソフトバンク株式会社非公開
KDDI株式会社非公開
株式会社大垣ケーブルテレビ非公開
株式会社オプテージ非公開
株式会社インターリンク365日
伊賀上野ケーブルテレビ株式会社未確認
松坂ケーブルテレビ・ステーション株式会社未確認
株式会社シナプス未確認
金沢ケーブル株式会社未確認
株式会社QTnet未確認
仙台CATV株式会社未確認
株式会社ベイ・コミュニケーションズ未確認
上越ケーブルビジョン株式会社未確認
2024年6月時点

    

9 現在確認できている開示請求をしてくるアダルトビデオの製作会社等について

以下、参考までに当事務所でこれまで対応してきたアダルトビデオの製作会社等の名前を掲載しておきます。

開示請求をしてくる会社数は徐々に増えてきています。そのこともあり、改めて「現時点で届いた1通の意見照会書」に慌ててすぐさま示談をしないように注意が必要です。

なお、以下には記載をしていませんが、いわゆるAV男優やAV女優の立場で権利侵害を主張し、開示請求を求めてくるケースも散見されます。その法的構成としては、パブリシティ権侵害、肖像権侵害、AV出演被害防止・救済法(正式名称:性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律)などがあります。

しかし、これら権利侵害を根拠とした開示は現在は裁判所は認めないこととなっているため、これらAV男優等からの開示請求の際には意見照会書に対して不同意で回答を出すのがセオリーと言えます。

【アダルトビデオの制作会社等】


アダルトビデオの作会社一覧       
有限会社プレステージ
株式会社ケイ・エム・プロデュース
株式会社CONT
株式会社クイーンズロード
株式会社KSプロ
株式会社E.Xstudio
有限会社デジタルガガ
三和出版株式会社
株式会社オムプロダクション
株式会社ホットエンターテイメント
エムケイエイチ株式会社
エムズ・ファクトリー株式会社
株式会社A&T
株式会社グルーヴ・ラボ
株式会社バビロン
インフォメディア株式会社
株式会社MRG
ビジョンイノベーション株式会社
株式会社CHERRIES
SODクリエイト株式会社
株式会社桃太郎
株式会社ナチュ
株式会社ヒロスンエンタテイメント
株式会社Dream Project
2024年6月時点

10 意見照会書が届いた方に架け橋法律事務所にて出来ること

ある日突然、プロバイダーから意見照会書が届き、大変驚き、動揺し、強い不安に押しつぶされそうになっている方に、当事務所は、当該事案の解決に向けて、安心をご提供し、最善の解決をお約束いたします。

まず、今置かれた状況をこれまでの経験を踏まえて、各種裁判例を踏まえて丁寧にご説明が可能です。

その上で、まずは意見照会書に対するベストな対応を検討し、ご案内いたします。ご依頼の際にはプロバイダーへの意見照会書の返答も当事務所にて行います。

また、さらに引き続き意見照会書が届いた場合にも、その内容に応じた最善の対応、解決をご提示いたします。

さらに、開示請求の相手方弁護士との間では、当方が受任通知を送付するなどし、直ちに交渉の窓口となることが可能です。

相手方弁護士から届いた請求内容に対しては、その内容に応じることのメリットデメリットについてご説明をし、やはり安心できる対応、最善の解決をご提示いたします。

場合によっては、示談には応じるのではなく、示談を拒否しての解決もまた可能です。その場合には、以後、刑事告訴や民事訴訟の提起がされる可能性の大小についても事案に応じたご説明が可能です。

以上のような対応を踏まえて、プロバイダーのログ保存期間の経過まできちんと確認の上で最終的な結論を出すようにしています。

どうぞ慌てることなく、落ち着いて対応をとること、一度、当事務所にご相談頂くことをおすすめします。

回答書の発送も、弁護士へのご相談も落ち着いてご対処ください。そのことがリスクを最小化し、あなたに最善の結果をもたらします。

最後までお読み下さりありがとうございました。

【アクセス】


電話(岡山オフィス):086-441-9937

電話(香川オフィス):087-802-2573

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11 当事務所における県外事案の対応状況について

当事務所では、岡山香川以外にも、これまで以下の都道府県にお住まいの方々からトレント事案のご依頼を承っております。

県外からの問い合わせの方から、県外対応の可否をお尋ねされることがとても多いですが、ご来所またはオンライン(Zoom)にて問題なく対応できております。ご安心ください。

これまでに対応してきた都道府県一覧

【北海道】
 北海道
【東北】
 宮城県 秋田県 福島県
【関東】
 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 長野県
【北陸】
 新潟県 富山県 石川県 福井県
【中部】
 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県
【近畿】
 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
【中国】
 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
【四国】
 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
【九州】
 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
【沖縄】
 沖縄県

執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)

1979年 東京都生まれ

2002年 早稲田大学法学部卒業

2006年 司法試験合格

2008年 岡山弁護士会に登録

2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所

2015年 弁護士法人に組織変更

2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更

2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所

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