調停制度のメリットとデメリット

先日は示談交渉のメリットとデメリットについて書きました。

そうなると今度は調停や訴訟制度のメリットとデメリットも知りたいとなるでしょうから今日はまず調停制度のメリットとデメリットについて説明します。

 

まずメリットですが、調停制度の最大の特徴は、裁判所の調停委員が間に入り、非公開の場で当事者の主張を互いに聴取し、その橋渡しをしてくれるという点にあります。

直接相手方とやりとりをしなくて済む事、裁判所の調停員として中立公平な立場で冷静かつ親身に関与してくれることから離婚や遺産など家族親族関係の問題解決にふさわしいと言えます。

また、調停の場合、当事者間の言い分や要望が相互にかけ離れていたとしても、裁判所、調停委員が間に入り、公平妥当な結論を示した上で解決に向けての話を進めることが出来る点も大きなメリットです。

離婚にしろ遺産分割にしろ、感情的な対立などから、お互いの歩みよりが難しかったり、お互いの法律知識や理解の差から歩みよりが難しかったりすることがありますが、調停であれば間に裁判所が入ることでこれらの問題を解消することができるのです。

 

他にも、訴訟による解決になじみにくい事案(証拠が十分にないとか人間関係などを考慮して裁判にはしたくない事案など)においても調停制度による解決のメリットがあります。

 

他方でデメリットとしては、解決までにそれなりの時間や期間がかかることです。上記のとおり調停制度は当事者の言い分などを丁寧に聴取してくれるのでそのための時間が必要です。

また、離婚や遺産の問題は協議すべき事柄も多く、かつ人間関係が泥沼化していることも少なくないのでそのためにも多くの時間を要します。離婚の案件では半年~1年ないしそれ以上かかることもざらです。

さらに、調停委員の方にも様々なタイプがいるため、相性が合わないとか、進め方や話し方が気に入らないといったことも不満として時にお聞きするところです。

 

 

以上がおおまかな調停制度のメリットとデメリットです。弁護士はこのような調停制度の特徴を踏まえて、依頼者の方にとって最大限有利な条件を勝ち取れるように調停手続きに臨むようになります。

 

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