弁護士には「熱い弁護士」と「そうでない弁護士」の2パターンしかいません。
そして、熱い弁護士は実は少数派です。
皆さんはドラマや映画、小説を通じて「弁護士は皆、熱血漢で情熱に溢れ、場合によっては弁護士なのにルールを破ろうとしてでも依頼者を守ろうとする人たち」と思っているかもしれません。
しかし、実はそうではありません。ほとんどは「クール」で「冷めた」弁護士ばかりです。
その理由は、そもそも弁護士になるためには司法試験という難関突破の必要があり、そのためには地頭や相当な勉強、努力が必要であるところ、頭の良い人々は得てして「クール」なことが多いからです(私見)。
ではどうしてドラマや映画、小説では「熱い弁護士」ばかりが登場するのでしょうか?
その理由は至って簡単です。
「観ていて面白いから」
「物語を作りやすいから」
です。
クールでドライ、要領良く、過激なことはしない。
そんな弁護士のストーリーはずっと観ていても面白くありません。
人は人である以上、知性や理性よりも時に「感情」「気持ち」を大事にします。
そしてこのような感情や気持ちこそ、観ている人の共感を呼び、感動を巻き起こすのです。
これはAI全盛の現代でも変わりませんし、未来永劫変わらないと確信します。
ところでこうしたクールな弁護士は、トレントの案件をドライな視点で眺めています。
「アホでスケベな利用者がトレントの仕組みも分からず(もしくは分かっていたのに軽く考えて)、ケチってトレントを安易に使い、後で製作会社からの開示請求を受け、恥ずかしさや不安で夜も眠れずにいるけどそんなこと知るか。依頼するなら着手金を。示談するなら示談金を。責任取れば民事も刑事もないからさっさとそうしろ。」
きっとこうです。
これは開示請求側も、一部の「悪しき(自称)利用者側弁護士」も同じです。
だからこそ開示請求側は、高額な示談金要求からの値下げに応じず、同一ファイルについて無数の開示請求、損害賠償を続け(本当にそんなに多額の損害は生じているのか?共同不法行為なのに全員から同額を回収する法的根拠は?という問題を棚に上げる)、悪しき利用者側弁護士は「即示談しかない」と相談者、依頼者を不安に陥れることができるのです。
それに対して「熱い弁護士」は違います。
「利用者にも言い分はある」
「責任がゼロでないとしても言い値に従う根拠はあるのか?」
「最善の解決のための法的構成があるはず」
「依頼者の生活を破綻させてまでの支払いは回避するべき」
こう考えます。
そしてこういう熱い思いこそが最善の解決を導くことは、法律の世界もまた人の営みである以上は当然のことなのです。
決してクール、ドライに徹するのではなく、きちんと熱い思いで臨むこと。
これこそが少数派の弁護士が人々に支援される理由です。