犯罪被害に遭うなどし、警察にその被害申告を行うことを被害届といいます。
これとは別に「告訴」という制度もあり、被害届とは別の処理がされます。
この告訴とは、犯罪被害に遭うなどした被害者などが、警察に被害を届けるのみならず、刑事訴追を求める意思表示のことを言います。
被害届が、純粋なる「被害があったことの申告」に留まるのに対して、刑事告訴は「刑事訴追を求める意思表示」を含む点で非常に大きな違いがあります。
一般的には被害届さえ出しておけば後は警察がしっかりと捜査をし、必要に応じて犯人逮捕になり、訴追が進むと考えがちです。
しかし、被害届は上記のとおりの制度であるため、これがあったと言っても必ず捜査がどんどん進むということではありません。
なので、しっかりと警察に捜査をしてもらうためには場合によっては刑事告訴が重要です。
しかし、どこの警察署でも刑事告訴をすぐには受けつけたがりません。なぜなら警察は刑事告訴を受け付けると法律上、捜査義務が生じるからです。
そのため、告訴状を持って行ってもなんやかんやと理由を付けて「今日は写しだけもらって中身の検討だけさせてください。検討したら後日連絡しますから。」と告訴人を帰らせようとするのです。
ここで応じてしまうと後日、警察から「中身を検討したけど告訴として受理するにはこことここがこうであーで、そうだから、、、、」などと理屈をこねて告訴の受理を拒もうとしたり、告訴の対象を狭めようとしたりします。
なのでやはり最初の段階できちんと告訴状を受理してもらうことが大切です。
警察は被害者の味方だからと何でもかんでも警察の言う通りにしてしまうと、今度は自分自身が思っていた内容での告訴に至らないという結果になりかねないのです。
当然、上記のことは個人での告訴の際に強く表れる問題です。弁護士に対してですら同様のことを述べてきます。
なので告訴の際には必ず弁護士を立ててしかも、警察に対して「しっかりと」物を申せる弁護士に依頼することが必須です。