言わずもがな司法試験は文系の試験とされ、その試験に数学を始めとした理系の科目はありません。
そのため、理系科目が苦手で文系に進み、司法試験に合格する方も少なくないと思います。
ただ、いざ実務について「算数」が苦手だと弁護士として苦労することは間違いありません。
というのも、あらゆる紛争には、常に「数字」がつきものですし、有利な「数字」を勝ち取るためには当然、算数が出来ないと不可能です。
具体的には、たとえば離婚においては慰謝料、養育費、財産分与などのいずれも具体的な計算を前提とした数字が必ず問題となります。養育費についてはお互いの年収やお子さんの人数などに応じた詳細な計算式があるのでその活用が必要です。
財産分与では、預貯金、保険、退職金、自宅の価値や残ローンなどをすべて詳細に計算し一覧にした上で有利な分与案を検討する必要があります。
たとえば交通事故であれば、治療費、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益などの各損害についての詳細な計算が必要です。他にも、お互いの車両の位置関係や移動距離に応じた速度計算をすることもあります。
たとえば遺産分割では、遺産全体を把握し、資料に基づく詳細な算定や計算が必要です。
その他、会社関係訴訟や、債務整理、破産などでも常に数字がつきものです。
このような次第ですから、いくら文系とは言え、弁護士として依頼者のために有利な解決を実現しようと思うと、算数が得意であることは必須です。逆の言い方をすれば、腕の立つ弁護士を見つけようと思えば「算数が得意か?」をチェックするべきです。
なので、弁護士選びの際にぜひこうお尋ねください。
「こちらの弁護士さんは算数は得意でしょうか?」
(でも実際、こんなことはお尋ねしにくいですね、、、ちなみに私は幼少期にそろばんを一生懸命やったことが今に活きていると実感できています。)