恋愛と法律

不倫や婚姻、そして離婚は、人が人を好きになったことをきっかけとして生じる法律問題です。

不倫の多くは人が人を好きになり、交際関係に至り、そして肉体関係を持つことで他方配偶者に対する慰謝料が問題となります。

婚姻の多くも、人が人を好きになり、交際関係に至り、その上で法律上の要件を満たした婚姻届けを提出することで法的な身分関係が生じます。

婚姻の際には、婚姻の際には好きだった恋愛感情や、婚姻期間中に形成された愛情が失われ、法的な身分関係を解消するために離婚届けを提出することで離婚となります。

このように、人が人を好きになる気持ち、恋愛感情を前提としての法律問題はいくつかあります。

しかし、この「恋愛感情」自体については不倫、婚姻、離婚に関する法律には何も触れられていません。

すなわち、不倫で言えば、人が人を好きになったこと自体は、違法でもなんでもなく、その上で「肉体関係を持つ」ことで初めて不倫として慰謝料の対象となります。

婚姻については、恋愛感情があることは決して、婚姻届の要件ではありません。一応、婚姻届けの提出に際しては「婚姻意思」が必要であるとされていますが、この婚姻意思は、「夫婦として共同生活を送る意思」に過ぎず、「恋愛感情」の有無や内容は問題となりません。

離婚についても、恋愛感情が失われたことが離婚届けの要件とはなっていません。

このように、不倫、婚姻、離婚に際しては恋愛感情を法的には問題とはしていません。

他方で、いわゆるストーカー規制法では、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的を法律上の要件とするなど、個人の恋愛感情を法律に明記しています。

このような恋愛感情を要件とする法律は非常に珍しく、ストーカー規制法の要件は厳しすぎるとの声もありました。

こうしたことからも分かるように、法律において「恋愛感情」を問題とすることは珍しく、基本的に「法律は恋愛にタッチしない」と思ってもらったらと思います。

それは、憲法にある思想信条の自由という価値に由来するものとも言えるかと思います。

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