弁護士の仕事とタクシーの仕事は似ているところがあります。
タクシーは、目的地を告げて、料金を支払うとプロのドライバーが目的地まで安全、最短で向かってくれます。
弁護士も、依頼の目的(=問題となっている事案、相談について、相談者が求める結論)を告げて、料金を支払うと、プロの弁護士がその目的に向けて、最善を尽くしてくれます。
通って欲しいルートがある場合には、その旨をドライバーに告げると、そのルートを通ってくれます。また、プロのドライバーと言えども、目的地までのルートが分からない場合には、適切なタイミングでお客さんに確認をしてきます。
弁護士にも、依頼の目的を実現するために、とって欲しい手段(=内容証明を送って欲しいとか、調停や裁判は嫌だから示談で進めて欲しいとか)を告げると、その方法を選択してくれます。また、依頼者の希望が十分理解できない場合には、適切なタイミングで弁護士から意思確認をしてくれます。
こちらが話しかけてもいないのに、あれこれ世間話をするドライバーは要注意です。プロのドライバーとしては、目的地に向かってお客さんの希望するルートに沿って忠実に安全運転に徹するべきだからです。間違っても、目的地に向かうことと無関係なお客さんのプライベートなことを根掘り葉掘り聞くなどあってはいけません。
弁護士も、依頼した事件のこととまったく関係のないことをペラペラ話したり、聞いてきたりするようでは困ります。法律の専門家として、事案解決に必要な情報の収集や、理論の構築、分析に専念すべきです。
他方で、いったん目的地が決まったのに、途中で急に目的地の変更を指示したり、ドライバーの運転にあれこれ文句をつけたり、やたらと話しかけるのもいただけません。
ドライバーたるもの、運転に最大の神経を集中させています。必要以上なやりとりなどは道を間違えたり、事故の原因になりかねません。
目的地とルートが決まったらあとはドライバーに任せましょう。
同じく、依頼の目的が決まったら、そのための手段を打ち合わせ、後は弁護士に任せましょう。必要な調査は必ず行いますし、事案解決のために重要な事実の聞き取りなども弁護士の方からしてくれます。
このように、弁護士の仕事はタクシーに似ています。自分の依頼の目的を明確にし、そこまでたどり着くのに最適な弁護士をご依頼ください。