学生のころアルバイト先で、「仕事をする上で一番大切なのは『人、物、金』だ。常にこの三つを頭において仕事をするように。」としつこく教わったのを覚えています。
何よりもまずは「人」を大切にする、とのことでした。ここでいう「人」は、お客様は当然として、上司、同僚、部下などの一緒に働く仲間も含みます。
自分と一緒に働く人と良い関係を築けないことにはいい仕事は出来ず、当然、お客様にもいいサービスは提供できない、ということです。
次に大切なのは「物」すなわち、仕事をする上で使うあらゆる道具のことです。道具を使って仕事をする、その結果作った商品をお客様に提供し、対価を得る、だからその道具自体を大切にしなくてはいけない、ということです。常に道具の清掃など口うるさく指導されたのを覚えています。
そして最後は「金」でした。サービスを提供して対価たるお金を受け取るのですが、きちんと人や物を大切にした上で良いサービス、商品を提供して初めてお金を受けられる、ということです。最初から「金」ありきではいけない、と教わりました。逆に言うと、「人」や「物」を大切にしていれば必然的に最後に「お金」はついてくるという意味でもありました。
学生ながらにこの「ヒト、モノ、カネ」という考え方にはとても深く共感を覚えました。その後、現在に至るまで自分の人生の中で、常に「ヒト、モノ、カネ」で物事を考えるようなクセがつきました。
ところが、最近の政治に目を向けると、必ずしもこういう発想に立っていない状況があり、日々、モヤモヤした気持ちがあります。いわゆる「戦争法案」や派遣法改正案については本当に「ヒト」のことを勧がているのか、とても疑問に感じます。
もっともっと、みんなが「ヒト」を大切にできる世の中になるように、と願っています。