最近、被疑者から接見要請があり、警察署で話を聞いていると、被疑事実について否認しており、誤認逮捕であったケースが２件ありました。
いずれの事件も、被疑事実かいてある犯罪行為をしていないのにかかわらず、被害者とされる人物が当該被害に遭ったと警察に虚偽の申告をし、警察がそれを真に受け、ろくに周辺捜査をしないまま逮捕状を請求し、裁判所も被害者の供述のみを根拠に逮捕状を発布したのです。
警察は被害者の味方というのはわかりますが、それでも被害者の供述と加害者とされる者の供述とが食い違っている場合には慎重に慎重を重ね、周辺捜査を経てから逮捕に踏み切るべきです。
いったん逮捕されればその後、勾留につながる可能性も高く、逮捕勾留を合計すると２０日間以上の長期間の拘束を余儀なくされます。
途中で出してくれと言ったところで出してくれません。
当然会社や仕事に多大な影響を及ぼします。家族もめちゃくちゃにされます。
そのような強大な権力を持つのが警察、裁判所なのです。
警察は犯人を逮捕するのが仕事とみなさんは思っているでしょうけど、時には犯罪をまったくしていない人を逮捕することも世の中ではしょっちゅう起きているのです。
誤認逮捕が捜査中に明らかになれば、起訴猶予等で釈放されるので世間的にはほとんど騒がれませんが、これが起訴され裁判になると冤罪、ということで世間の注目を浴びるのです。
そして、冤罪が晴れて無罪となればその間の拘束に対して刑事補償が支払われますが、逮捕勾留のみで起訴されずに釈放された場合にはそのような保障はまったくありません。
どんなに多大な損害を被ってもゼロです。
本当に誤認逮捕の恐ろしさを感じます。
上記の２件の被疑者は、単に事情聴取だけと思い、警察の任意同行に応じたのですが、しかし、とにかく警察に安易についていくと、突然逮捕されることもある、ということです。
後になっては取り返しのつかない事件です。
