弁護士に依頼した場合に、当該案件が解決するまで具体的にどれくらいの「期間」がかかるのか、どれくらいの「時間」を要するのかについてお尋ねされること、ご説明することが多々あります。
当然、みなさま「早く」「短時間で」解決することをご希望されます。
他方で、一般的には弁護士依頼後、当事者の方の思うよりも、「期間」「時間」がかかるのが通常です。
具体的には、たとえば協議離婚で弁護士が介入した事案で、「うまくいけば2~3カ月」で解決します。ただし、これは離婚の合意ができていること、親権や面会についてお互いで折り合いが付いていること、分けるべき財産が限られていること、それからなによりも相手方となる方が弁護士との話し合いに冷静に、客観的に対応できることが重要です。
そのため、数カ月の協議を経ても解決に至らなければ止む無く「離婚調停」に移行します。
その離婚調停では、「うまくいけば半年。たいがいは1年程度。多少伸びると1年半。」あたりが解決に要する期間の目安です。
やはり、調停の場で、お互いが財産分与の対象となる資料を早期にすべて開示することや、裁判所の判断基準などを理解し、そこに応じる姿勢があることなどが早期解決の条件です。これらが欠けるとどうしても解決のための期間は長くなります。
他にも交通事故の事案であれば、治療が済んだ時点から起算して示談交渉なら「1カ月~2,3カ月」で特に長いと「約1年」、示談がまとまらなければ訴訟に移行し、訴訟になってから「約1年」かかることがザラです。
保障の内容や過失割合、事故当初の相手方や相手方保険会社の不当な言動などが原因となって長期化することがあります。
当然、これらの離婚や交通事故の他にも多くの争いごとがありますが、いずれも一般の方の思うよりも解決までに時間がかかるといえます。
依頼者の方が思うよりも期間がかかると感じられる理由にはいくつかありますが、ひとつには、依頼者の方は得てしてこの困難な状況、苦しい状況から早く脱却したいというお気持ちがあるため、だと思います。弁護士としては、そのようなお気持ちも踏まえつつ、可能な限りでの早期解決を目指します。
ただ、早く解決するといっても、「納得のできない条件」や「不当に相手方の言い分を飲んでの解決」を望まないのも依頼者の方のご意向として当然のことです。
それゆえ、この「早期解決」と「納得の解決」とを両睨みの上で、「最速かつ最善」の解決をいかに実現するか、ここが弁護士の腕の見せ所となります。争いごとには常に相手方が存在するので、その相手方との駆け引きや条件闘争、訴訟戦術などを通じて「最速かつ最善」を目指すこととなります。