政治家の失言は、時に失言の対象となった人たちを大変傷つけます。
その失言の原因について、元外務官僚の佐藤優さんは、一つに無知、一つに偏見を挙げています。
無知ゆえに失言し、他人を傷つける。偏見ゆえに失言し、やはり人を傷つける。
そういうことです。
世の中には、自分の知らない病気、障がい、国籍や民族、出自、宗教、価値観、その他属性等が無数にあることを念頭に置き、「自分は無知である。」と謙虚になることが必要だと思います。
障害者の家族が、介護の負担を訴え裁判に打って出ると、世間から「税金で養ってもらっているのにまだ不満を言うのか。」と非難の目を向けられることがあります。
ある病気ゆえに頻繁に通院が必要なケースでも、周囲や会社から理解してもらえず、辛い思いをする方もいます。
私の学生時代の友人は、卒業後しばらく経ってから自分がゲイであることを打ち明けてくれました。
同席していた同級生はみな、彼のすべてを受け入れました。彼は、その私たちの対応を「嬉しかった。」と言ってくれました。
世の中には、自分の知らない多くのことがあります。無知であると謙虚になり、余計なことを言わない。無知であることを前提に、日々、社会の出来事に目を向ける。
人を傷つけない生き方を心がけたいと思っています。