Googleの口コミに対する丁寧な返信方法や例文について

Google(グーグル)の悪い口コミ(クチコミ)に対し、どのような返信をしたらよいか例文を含めて解説をしています。削除によらない解決をお考えの際の参考にしていただければ幸いです。

 

【目次】

1 Googleの口コミについて

 (1)Googleの口コミの仕組み

 (2)Googleの口コミの影響

2 Googleに悪い口コミを投稿された場合の対処法について

 (1)悪い口コミに対して取り得る手段について

 (2)(1)削除申請について

 (3)(2)発信者情報開示請求について

 (4)(3)口コミに対する丁寧な返信について

3 口コミに対する丁寧な返信のための注意事項

 (1)まずは落ち着く

 (2)次に、投稿に対して感謝の気持ちを示す

 (3)続いて、謝罪の気持ちを伝える

 (4)謝罪に続き、原因の説明及び改善策のお約束をする

 (5)投稿の前提となる事実関係がない場合の反論について

 (6)以上を踏まえたまとめの文章を書く

【本文】

1 Googleの口コミについて

 (1)Googleの口コミの仕組み

 インターネットやスマホが広く利用されるようになり、ネット検索やマップ検索が日々の生活に欠かせないものとなりました。とりわけ検索エンジンとしてシェアがトップのGoogleについては、何かを調べる際に相当多くの方が利用をしている状況です。

 そして、Googleでは、Googleマップ上で様々な会社、病院、施設、店舗(飲食店、美容院、クリニック、整骨院その他)についてのプロフィール情報を掲載しており、これにより来店客にアピールが可能です。その情報の中で利用者による口コミ(クチコミ)投稿が可能となっています。

 この口コミ投稿は、誰でも投稿ができ、誰でも閲覧をすることが可能です(中にはGoogleのローカルガイドとしてあらゆるサービスに対してレビュー投稿を行っているユーザーも多数存在します。)。

 そして、上記のように店舗などの利用を考えている利用者はGoogleマップに表示される口コミをも参考に利用する店舗を決めることも多々あるのが実情です。

 このGoogleマップの口コミについては、店舗などの側でビジネス情報の登録をしていれば当然、仮にこれを自ら登録していなくてもGoogleの側で各種情報の掲載を進めており、同時に口コミの投稿も可能になる仕組みです(このようなGoogleのサービスについてはグーグルマイビジネスと呼ばれています。このグーグルマイビジネスの利用自体は無料で行えます。)。

 そのため、「Googleマップに自分の会社や店舗の情報を掲載したくない」ということ自体が選択できないのです。

 このように、今や店舗運営上、グーグルマイビジネスの存在はお客とのつながりを作るために切っても切り離せないものとなっているのです。

 (2)Googleの口コミの影響

 以上のようなGoogleの口コミですが、多くの人とりわけ新規の顧客が利用の際の手がかりにすることから、良い口コミ、悪い口コミによって当該ビジネスの集客に多大なる影響を与えることは明らかです(メリットも大きいがデメリットも否定できない)。

 中には「Googleの口コミ何て気にする必要はない」という意見の方もいるようですが、客観的にはGoogleの口コミとりわけネガティブな口コミがビジネス上の集客や顧客に対するサービスとして少なからず影響を与えることは明らかだと思います(似たようなサービスを提供するお店が近隣にあった場合に、口コミの良いところを選択するのは通常の心理だと思います。あまりにも評価の低いクチコミばかりの店舗を敢えて選ぼうということはないと思います。)。

 また、Googleの口コミは経営者や店舗スタッフの精神面、気持ちの上でも悪影響を及ぼすと言えます。すなわち、悪い評価を書かれれば、多くの人はネガティブな気持ちになります。それは経営者だけでなく従業員、スタッフでも同じです。そうすると、嫌な気持ちを抱えたまま、業務に付くことになり、その後の業務運営上、サービス提供上のマイナスが生じかねません。

 とりわけ、ネガティブな内容の悪い口コミについて、誰により書かれたものか、いつのことについて書かれたのかが特定できるような場合には、余計に嫌な気持ちになることでしょうし、場合によっては「事実と異なるから反論をしたい。」との気持ちにもなることだと思います。

 さらには、悪い口コミばかりだと求人に影響することもあると思います。求人の案内を見て応募を検討した人が、悪い口コミばかりを見てしまえば応募自体を取りやめることになりかねないからです。

 このように、Googleの口コミについては、お店やサービスを選択する側からすれば、「より良いサービスを提供してくれるお店」を選ぶ際の大きな動機付けになり、その結果、悪い口コミを受けた店舗の売り上げにマイナスの影響を与えることになりますし、店舗のスタッフの士気やその後の求人にも悪影響を与えるものなのです。

2 Googleに悪い口コミを投稿された場合の対処法について

 (1)悪い口コミに対して取り得る手段について

 とはいえ、以上のようなGoogleの口コミに対して何も対応策がないかというとそういうことはありません。よく挙げられるものとしては、(1)削除申請をする、(2)発信者情報開示請求をする、(3)口コミに対して丁寧に返信をするというものです。

 以下、順番に解説をします。

 なお、単に星を1つだけつけてコメントは何も残していないような場合にどうするのかという問題もありますが、その場合には(1)削除申請や(2)発信者情報開示請求はできません。なので(3)星1つの評価に対してのコメントをこちらから残すという方法が考えられます。

 その場合には、「星1つの評価となっておりますが、具体的にどのような点が問題でしたでしょうか。不愉快な思いをさせたようでしたらお詫びの上で今後の対応や従業員教育に活かしたいのでぜひとも一度、詳細をお知らせいただけますと幸いです。」などの文面が考えられます。

 (2)(1)削除申請について

 削除申請はまさしく、問題となっているGoogleの口コミ自体を削除することです。

 その方法としてはGoogleを通じて削除をする方法と、裁判所を通じて削除をする方法があります。

 当然、あらゆる口コミの削除が認められる訳ではないのでその線引きを含めて事前の検討が必要です。

 この点、Googleの口コミの削除については別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。

「Googleの口コミや誹謗中傷を弁護士・法律事務所に依頼して削除する方法」

 (3)(2)発信者情報開示請求について

 口コミの削除そのものからは離れますが、例えば悪い口コミをやたらと繰り返し投稿されるようであれば、個別の削除のみでは対処として十分とは言えません。そのような場合には、投稿をしている人物自体を個別に特定をし、以後の投稿をしないように求めたり、投稿によって被った損害を個別に請求したりする必要があります。

 そのため、発信者情報開示請求を行うこととなりますが、その詳細についても別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。

「発信者情報開示請求やその後の損害賠償請求などの流れについて」

 (4)(3)口コミに対する丁寧な返信について

 以上の(1)、(2)の方法と異なり、悪い口コミに対して個別に丁寧な返信をすることで悪い口コミを払拭したり、以後の悪い口コミ投稿を未然に防いだりすることができます。

 すなわち、Googleの口コミは、単に投稿者が一方的に投稿をするだけではなく、投稿に対して当該ビジネスの管理者側からの返信が可能となっています。これは一種、対抗言論とも呼べるものであり、投稿者のみが一方的に投稿ができるということだと反論の余地もなくなり、表現の自由の観点から公平を欠くために設けられているともいえます。

 そこで、この返信機能を用いて個別に丁寧な返信を行うことで、当該口コミに対して誠実に対応をしようとしていることや、当該口コミについて前提事実や認識に誤りがあることを指摘したり反論をしたりすることが可能となります。

 その際の注意事項やコツなどを次項でご説明します。

3 口コミに対する丁寧な返信のための注意事項

 (1)まずは落ち着く

 まずは、口コミ投稿をしてくれたこと自体に感謝の気持ちを示すようにしてください。

 悪い口コミを書かれ、場合によっては事実に反する内容も含まれていたような場合、これを見た側としてカッとなりすぐさま反論をしたい気持ちになると思います。

 しかし、気持ちの上では熱くなっても返信自体は冷静になりましょう。もしくは気持ちが(ある程度)収まるまでは返信を投稿するのは待ちましょう。場合によっては返信の文案を作ったら、他の従業員とも共有し、さらには会社や店舗と少し離れた立場の人にも見てもらってから投稿することを心がけましょう。

 世の中で度々生じる「炎上」は、得てして冷静さを失ったままなされた投稿が原因です。炎上してから謝罪をしても失ったものは戻ってきません。

 (2)次に、投稿に対して感謝の気持ちを示す

 悪い口コミとはいえ、当該店舗やサービスを利用してくれたお客様からの意見であることには変わりなく、かつ投稿のために時間を割いてくれたこともまた事実です。

投稿内容自体が悪意に満ちたものであったとしても、店舗経営上、すべてのお客様が完全に満足をすることなどはなり、不満に感じる方がいることも当然のことです。

また、お客様からの不満の声は、場合によっては店舗運営を改善するための大きな手掛かりになることもあり得るのです。

仮に投稿の内容が事実無根であった場合であっても、そのような投稿をしたいと思ったお客様の気持ち自体は尊重をするべきです。

そうしたことから、投稿に対しては冒頭に、以下のような感謝の気持ちないしお礼の言葉を(短くて構わないので)示すようにしてください。

「〇〇様

この度は当店をご利用下さいましてありがとうございました。また、ご提供のサービスに不十分な点があったとのことで貴重なご意見を下さいましてありがとうございます。」

 (3)続いて、謝罪の気持ちを伝える

 感謝やお礼の気持ちを伝えた上で引き続き、謝罪の気持ちを伝えるようにしてください。

この時、口コミ投稿の内容が事実であれば当然、当該事実に対する謝罪が必要になります(たとえば、配膳の際に熱い飲み物をお客様にこぼしてしまったとか、スタッフの接客態度に問題があったなど)。その場合の文例は以下のとおりです。

「この度は、スタッフが配膳の際にお客様の膝の上に熱いコーヒーをこぼしてしまい、危険な目に遭わせかつ大切なお洋服を汚す始末になり大変申し訳ございませんでした。」

 仮に投稿の内容が事実に反するような場合であっても、謝罪の気持ちはきちんと伝えてください。すなわち、内容自体が事実に反するとしても、当該投稿者の方が「嫌な気持ち」「不快な気持ち」を持ったこと自体は間違いのないことなので、「そのような気持ちにさせてこと」に対して謝罪をすることは何らおかしなことではないからです。その際、投稿内容が事実に反する点についてはすぐに触れず、この謝罪の後に触れるようにします。

「この度は、せっかく当店をご利用下さいましたにも関わらず、〇〇様にご満足いただくサービスを提供できず、大変申し訳ございませんでした。」

*〇〇様にご満足いただくサービスを店舗として提供するとか、提供できるとかということを前提にはしていません。〇〇様の希望するサービスは場合にとっては店舗にとって「不可能」なものであれば、次の段階で触れることとなるのです。

*「謝罪」については返信文の中で合計、3回、その言葉を示すことが望ましいです。冒頭、中、末尾です。重ねてお詫びの言葉を示すことにより、こちらが投稿者に対して謝罪の気持ちを持っていることがしっかりと(読んだ人)に伝わりますし、繰り返し謝罪をしている以上、投稿者から重ねて悪い投稿をすることはしづらくなるためです(何度も謝罪をしているのにさらに悪い投稿をするようであれば、それを見た第三者は、「しつこい投稿者である」と感じ、投稿者に問題があると受け止めるのが通常です。そのため、投稿者としても重ねての悪い投稿はしづらくなるのです。)。

 (4)謝罪に続き、原因の説明及び改善策のお約束をする

 投稿内容の前提となる事実関係がある場合であれば、その原因を説明の上でその後の改善策をお約束します。

「この度のミスは、繁忙な時間帯にも関わらず人員配置が不足し、かつまだ入店間もないスタッフに十分な教育もないまますべての配膳を任せたために生じたことでした。つきましては、今後はスタッフの人員配置や新人教育を徹底し、同様のミスが生じないように最善の注意を尽くします。」

 (5)投稿の前提となる事実関係がない場合の反論について

 以上を前提に、一番の悩みどころは、悪い口コミについて、そもそも前提となる事実が存在しないとか、事実認識に誤りがあるような場合です。

 このような場合には、冒頭から説明したような、冷静になる、感謝を伝える、謝罪するという一連の流れをすべて飛ばしていきなり反論をしたくなってしまうものです。

 しかし、これをしてしまえば悪意のある投稿者の意のままです。悪意のある投稿者は、自分の口コミ投稿の結果、店舗の評判が下がることを狙っているからです。そのため口汚い表現などを用いて可能な限り評判を下げようとしているのであり、そのような投稿に対して冷静さを失った反論をしてしまえば、店舗の態度の質の低さが際立つ結果となってしまいます。

 当然、悪い口コミとそれに対する冷静さを欠いた返信を見たお客様は、場合によっては「悪い口コミ」を真実と感じたり、仮に真実だと感じなかったとしても「お店にも問題がありそう」と感じたりし、結果、店舗利用を控える結果になりかねません。

 逆に、ここで丁寧な返信を心がければ、「悪い口コミ」が事実に反するもしくはこのような投稿をした側に問題がありそうと感じてもらえたり、「こんな大変な口コミが書かれているのにしっかりと対応をしており、むしろこのお店は良さそう」と感じてもらえたりすることすらあるのです。

 すなわち、悪い口コミには実は店舗のスタンスや誠実さをしっかりと伝える絶好のチャンスでもあるのです。

 その上で事実についての指摘は、第三者が見ても容易に理解できるように簡潔にし、内容を書きすぎることで投稿者のプライバシーが侵害されないように気を付ける必要があります。

 (6)以上を踏まえたまとめの文章を書く

 事実関係についても丁寧に説明をした上で、最後にまとめを書くこととなります。

 ここでは、謝罪についての項目で触れた点を思い出し、再度、謝罪の言葉を述べるようにしてください。

「この度はお忙しい中当店をご利用下さったにもかかわらず、満足いくサービスの提供に至らず大変申し訳ございませんでした。心より重ねてお詫び申し上げます。オーナー○○」

 冒頭と、中、末尾でこのように謝罪の言葉を繰り返し、店舗としての姿勢を示し、かつ投稿者からの繰り返しの悪い投稿を未然に防ぐ効果があります。また、一般のユーザーに対しては、店舗側の誠実さを印象付けることに繋がります。

4 口コミ投稿への対処法のまとめ

 このような書き方やコツをベースにして返信の文案を整理し、何度か推敲を重ね、自分以外の方にも見てもら、最終確認を経てから投稿をすることとなります。

以上のような返信を心がければ悪い口コミも何ら気にする必要はなくなります。むしろ、店舗としての誠実な姿勢を世に示すことができてプラスの作用すらありえますし、従業員もまたポジティブに業務に取り組めるようになると思います。

  とはいえ、多忙な店舗運営の中、限られた人材でこのような文案を検討し、作成をすることも容易ではありません。しかも、上記のような書き方の各ポイントを的確にまとめる文章能力も当然、重要です。そうした中、いつの間にか返信を放置してしまうことはとにかく一番やってはいけないことです。

 そのため、Googleの口コミに対する返信の文案については、場合によっては弁護士への相談や、文書作成の代行をご検討頂くことも必要だと思います。弁護士は、あらゆるトラブル解決のプロフェッショナルであり、クレーム対応も当然、その範疇に入ります。文章作成能力に長けてもいることから、多少の費用を払っても返信の文案を作ってもらった方が精神衛生上も、その後の店舗運営上も大きなプラスになることと思います。

 とりわけ、多数の悪い口コミが続き、Googleに削除申請をしてもうまく削除にならないとか、かといって弁護士に削除依頼をしたり、発信者情報開示請求を依頼したりするのは手間も費用もかかるため避けたいような場合には、返信文書の作成代行をお勧めしますのでそのご利用をご検討頂けたらと思います。

 削除申請や発信者情報開示請求よりも格段に安い費用で確実な効果が得られることは間違いありません。

執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)

1979年 東京都生まれ

2002年 早稲田大学法学部卒業

2006年 司法試験合格

2008年 岡山弁護士会に登録

2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所

2015年 弁護士法人に組織変更

2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更

2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所

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