示談書で違約金条項を盛り込みたいがどのような方法や内容が可能か。

不倫相手に、二度と同じことを繰り返されないようにするために示談の際に違約金条項を盛り込むことがあります。

多くは、「乙(注;不倫された側)は、本合意後、丙(注;不倫した配偶者)と二度と電話、メール、LINEその他一切の方法を用いて個別に連絡をしないこと及び面談をしないこと、これに違反した場合には、違反行為1回あたり金〇円を甲(注;不倫された配偶者)に支払うことを約束する。」というような内容です。

このような内容で示談をした以上は、乙は二度とこれら行為をしてはならず、繰り返した場合には約束したとおりの金額を甲に支払うこととなります。

そして、甲は、違反行為が分かったらすぐさまこの条項に基づき、乙に違約金を請求できます。

また、示談書を公正証書にし、強制執行受諾文言を付していれば、乙が任意で支払わない場合でも預金の差押えが可能です。

ただし、違約金の額は、あくまで不倫行為を繰り返さないことのペナルティなのでそのために必要かつ相当な範囲に限り有効です。あまりに高額な違約金を課すと後々、乙から「その金額は高すぎるから公序良俗に違反し無効である」と争われてしまうことがあるので注意が必要です。

なので、違約金の額の定め方については数万円から数十万円が妥当だといえます。

執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
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