爆サイなどの掲示板に書き込みをしたところ、プロバイダーから意見照会書が届いた。その対応について知りたい。


この記事を書いた弁護士
代表弁護士 呉 裕麻(おー ゆうま)

出身:東京  出身大学:早稲田大学
ここ数年、数百件のトレント案件(トレント利用者側)に注力している。単なる示談での解決ではなく、ログ保存期間を踏まえての示談や、ケースによってはそもそも示談を拒否すべきとして案件処理にあたっている。
現在、拠点のある岡山や香川に留まらず全国各地(北海道から沖縄まで)からオンライン(ZOOM利用)にて相談のみならず、受任対応を続けている。

*近場、遠方を問わずZOOM相談希望の方はご遠慮なくお申し出ください。
*この記事の内容を分かりやすく動画で解説しています。複雑な記事の理解にお役立てください。


1 掲示板やSNSへの投稿とプロバイダーからの意見照会について

爆サイなどのインターネット上への掲示板や、FBやTwitterなどのSNSに誹謗中傷などの投稿をしてしまったとか、ビットトレントシステムなどのファイル共有ソフトでファイルをアップロードしてしまったところ、後日、プロバイダーから被害者から開示請求が届いているとして意見照会の文書が送られてくることがあります。

これに対してどのように回答すべきか迷われることも多いと思います。

この点、ご自身が当該投稿をしたという前提で、(1)当該投稿が名誉棄損などの権利侵害を構成する場合と(2)これを構成しない場合とで分けてご説明をします。

当然、(1)と(2)の区別ないし判断には事実関係を前提とした法的判断を伴いますので、まずはそもそもご自身の投稿が名誉棄損や侮辱、プライバシー権侵害、著作権侵害に該当するかどうかをしっかりと判断することが必要です。

その意味では、以下の対応方法に至る前提として、まずは当該投稿内容やアップロード行為が、権利侵害になるか否かを弁護士に相談の上で対応を決めるようにしてください。

2 (1)当該投稿が名誉棄損などの権利侵害を構成しない場合

この点、当該投稿について権利侵害がない場合には照会文書に対しても「不同意」にチェックをし、その理由としては「権利侵害がないから」ということを書けば足ります。

権利侵害がない以上はご自身の投稿に対して法的責任が生じることはありません。プロバイダーは、意見照会に対して不同意の場合には通常、開示には応じません。結果、開示請求者は開示請求訴訟を提起の上で裁判所にて開示の判決を得ないことには投稿者の氏名等を知ることはできません。

そして、開示請求は、権利侵害があることが前提なので、当該投稿について権利侵害がないケースであれば開示請求者の請求は棄却されます。

3 (2)当該投稿が名誉棄損などの権利侵害を構成する場合

他方で、当該投稿が明らかに権利侵害と言える場合には、同意で回答すべきか否か大いに迷うことと思います。

この場合、仮に不同意で回答をしても、その後の開示請求訴訟で開示を認める判決が言い渡されれば結局は開示になります。

なので、当該投稿について現時点で反省し、被害者への謝罪や示談を考えるのであれば、同意で回答をするのが良いと思います。というのは、プロバイダーに不同意で回答すると多くのケースでは被害者は発信者情報開示請求訴訟に至りますが、そのためには相応の費用と期間が必要です。

そして、開示請求訴訟を経て投稿者が特定できた時点で、投稿者が謝罪をし、示談をしようとしても被害者の心証は悪くなっていることが多いのです。言い換えると、「謝罪、反省をするのであれば当初のプロバイダーからの意見照会の時点で任意開示に応じてくれれば余計な費用も時間も必要なかったのに」と考えるためです。

そうなると、その後の損害賠償請求の際に高額な金額を求められることが多くなりがちです。

また、最近ではビットトレントシステムなどのファイル共有ソフトを通じてアダルトビデオなどをアップロードした行為に対して著作権を持つ会社から発信者情報開示請求がなされるケースが非常に増えています。

ファイル共有ソフトは、いったんこれを自分のパソコンにダウンロードすると、無数のファイルをアップロードする結果につながります。そのため、著作権者から何度も何度も繰り返し、発信者情報開示請求がなされたり、損害賠償請求がなされたりします。

とりわけ、著作権侵害は、著作権者の損害額が莫大になるケースも少なくありません。そうすると、早い段階での示談が問題解決に非常に有効となります。

したがって、ビットトレントシステムなどのファイル共有ソフトを用いてアップロードをしてしまった場合には、発信者情報開示請求が届き次第、速やかに弁護士への相談と依頼をお勧めします。

4 まとめ

以上のとおり、自らの投稿に対して開示請求がなされた場合には、権利侵害の明白性の有無を慎重に検討した上で以後、自身としてどのような対応を希望するのかを慎重に、しかし速やかに検討する必要があります。

【2023.4.20追記】

ここ最近、本件(ビットトレントを通じたアダルトビデオのアップロードに伴う製作会社からの発信者情報開示請求やプロバイダーからの意見照会書の受領を前提としたお悩みやトラブル)に関するご相談が非常に増えております。

その理由としては、ビットトレントの利用者が相当多数に及ぶことひとりの利用者あたりで通常は相当数の動画をダウンロードしたりアップロードしていること、アダルトビデオの製作会社は多数あるところ、どの製作会社も一律にビットトレント経由での違法アップロードに徹底した対応をとるスタンスをとっていることなどという点にあります。

このような中、意見照会書を受領した利用者の方は、周囲に相談できる状況には通常なく、不安を覚えネットで情報収集をすることが多いと思います。ネット上では当事務所を含め、複数の法律事務所による多数の記事があり、それらの情報が利用者の方の役に立つことはもちろんです。

また、弁護士による記事以外では5ちゃんねるのスレッドに多数の投稿があり、これもまた情報収集のためには一定の意味を持つものと考えられます。

とはいえ、これらネット上での情報収集のみですべての案件に適切な対応ができるかというと限界があるのも事実です。そのため、当事務所を含め、本件に関しては現在、多数の相談が寄せられているのが実情のようです。

そうした中、岡山県と香川県に拠点を持つ当事務所では、現在、岡山県内や香川県内に限らず、中国地方全般(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)、四国地方全般(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)にお住まいの方からのご相談も広く承っております(その他の地方のご在住の方からももちろんお受けします)。

その際、遠方のため事務所まで足を運べない方でも、zoom相談にて対応しておりますので、ぜひ一度ご連絡いただければと思います。

相談予約などの連絡先は以下のURLからアクセス願います。

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ビットトレントによるアダルトビデオのアップロードに関する問題は、日々状況が変化しています。ネットで得られない情報と最善の解決のために、弁護士へのご相談をご検討ください。

執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
 
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所
 

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