「この事件は勝てますよ。」
「あなたの場合は親権とれますよ。」
「素直に認めれば保釈は通るから。」
「被害弁償できれば執行猶予はつくよ。」
など、あらゆる事件で、その見通しを説明するとき、依頼者や相談者からすれば、自分に有利な結論を示唆してくれる弁護士を好むかもしれません。
その方が依頼者相談者にとっては不安な気持ちが楽になるし、厳しい結論見通しを言われるのは知りたくない現実を知ることになるからでしょう。
弁護士としても「勝てる勝てる」とアドバイスすれば依頼者相談者が頼りにしてくれるので楽かもしれません。
しかし、私はそういうことはしません。
あらゆる事件である意味では依頼者相談者にとって「厳しい」見通しを告げることがあります。
それは、これまでの経験を踏まえ、先例を調べた上でのアドバイスです。そして、厳しい見通しもきちんと伝えた上で、依頼者相談者の望む結果をめざし、最善を尽くします。
このようにして厳しい見通しに基づき事件処理を行えば、裁判等に向けて綿密な準備を行うので手抜かりすることなく進めることができます。
他方で、冒頭で示したように甘い見通しに基づいて事件処理をすれば、きっと準備はおろそかになり、気が付いた時には思ったような結論を得ることができないこととなっているでしょう。
結局、依頼者としては、厳しい見通しに基づき事件を進めていった方が、最終的には最善の結果になっていることが多いと思います。
なので、私はあえて厳しい見通しを伝えるのです。
誰でも現在の自分の置かれた不安な状況から脱したいと思いますが、その時に目先の言葉だけで「楽」をしたとしても、きっとうまくいきません。
このことは、人生においても同じことと思います。
たとえば小さい子どもに対して、甘えてくるから甘やかすばかりする親はそうそういないと思います。
自分の子どもの将来を考え、あえて厳しく接したりするはずです。子どもからすれば自分を甘やかしてくれる人がいいかもしれませんが、それはあくまでその時だけのことです。
裁判も人生の一部です。「甘い」考え方では切り抜けられません。
岡山中庄架け橋法律事務所にお越しになる方は、「甘やかされたい。」という考えを捨てていただきますようお願い申し上げます。