自転車を猛烈な勢いで漕いでいる少年に遭遇しました。
もう、「全速力」を絵に描いたような漕ぎ方でした。余りにも勢いが凄すぎて、自転車も体も、右に左に大きく揺れていて、なんだかかえって無駄が多いように見えます。
隣を並走しているお友達らしき女の子は、普通に漕いでいたので、やはりこの少年の漕ぎ方は明らかに無駄です。
坂道に差し掛かっても勢いは変わりません。少年の漕ぐ勢いは落ちないのです。
きっと青春が彼を駆り立てるのでしょう。自転車を猛烈に漕ぐことで、無駄とはわかっていても何か、彼の中で消化するものがあるのだと思います。
少年の持て余したエネルギーを感じつつ、私は車でスーッと横を通り過ぎました。
自分にもこういう少年時代があったなーと思い、懐かしい気持ちでした。