吉野家の常務が不適切発言を理由に解任されました。大学の講座でのことです。
弁護する訳ではありませんし、賛同する訳でもありませんが、この常務自身は、自分なりの企業メッセージを学生に伝えたかったのだろうとは思います。吉野家の提供する自慢の牛丼をいかにしてマーケットで浸透させ、顧客を掴むかという話の中で、牛丼に夢中にさせる方法を提示したかったのでしょう。
当然、問題となった表現自体、大問題であり、いかなる理由があろうとも容認されようもありません。女性を卑下した表現、牛丼を違法薬物と同列視するような比喩などどうしてこんな表現になったのかと思います。
なので、この度の吉野家常務の企業メッセージの伝え方には大きな驕りや思い込み、人権感覚の欠如ゆえに大失敗に至りました。
これとは別に、スターバックスコーヒージャパンの紙袋の底面に、次のようなメッセージを見つけました。
[Reuse it again and again. Then recycle it-again.]
「この紙袋を何度も何度も使ってください。それからこれを再びリサイクルしてください。」
率直に良いメッセージだと感じました。環境問題が取りざたされている中、企業としてできること、顧客に求めることを明確かつ端的に打ち出しています。
ただ、メッセージの箇所が目立たないことや、なぜ日本語でなく英語表記にしたのかなど若干の疑問も感じました。その意味ではより一層、メッセージの発信の仕方としてさらなる工夫の余地があると思います。
いずれの企業も超有名企業です。その企業において、企業の理念やあり方、社会での役割などをどのように伝えようとしているのか、非常に参考になる事例でした。