この世界には、人間の目に見えないものがたくさんあります。
空気や電気、電波、微細な石綿、細かい埃、有毒ガス、匂い成分などたくさんあります。
このような目に見えないもののお陰で人は生きることが出来たり(たとえば空気)、便利な生活(たとえば電気や電波)が出来たりします。
他方で、目に見えないもののせいで、命を失ったり(石綿や有毒ガス)、健康を害したりすることもあります。
私自身は、ここ当面、ちょっと体調を崩したせいで、このような目に見えないものの悪影響に困っています。
具体的には、空気が悪いところに行くと体調が悪いせいで酷い咳が出ます。病院にも行って大分よくなりましたが、「見えないもの」の存在をすごく意識することができてとても勉強にもなりました。
健康な時には何とも思わなかった場所でも、体調が悪いせいで、空気中に埃などいろいろと呼吸器に悪影響を及ぼす目に見えないもののがあることを知ることができたのです。
やはり、人は健康ばかりでは見失うもの、気付けないものが多いですね。これは人の痛みについても一緒だと思います。傷つけられたり、差別されたりした経験をすると、他人の痛みや苦労にも理解が及ぶということは容易に想像ができると思います。
ところで、目に見えないもののとしてもう一つ上げるとすればそれは「権利」や「義務」です。法律の世界では、権利義務の有無や内容を巡って争いになりますが、そのものは決して目に見えるものではありません。これは、空気やガスなどという自然界に元々存在していた「見えないもの」とは異なり、人間が作りだした「見えないもの」の代表例です。
このように、人間は目に見えないもののをうまく用いて、人々の生活や社会をより豊かにしようとしているのです。