出会い系サイト、副業サイト、占いサイトによる詐欺被害と返金について

1 出会い系サイト、副業サイト、占いサイトによる詐欺被害の実情について

いわゆる出会い系サイトや、副業により収入が得られるとのサイト、占いと称して多額のポイント料を購入させるサイトによる詐欺被害が横行しています。

これらのサイトはいずれも、サイトの運営会社自身がサクラを用いてサイトを運営し、利用者を騙し、多額のポイント料を購入させるという点で共通しています。その意味でこれらサイトを称して「サクラサイト」という名称で呼ばれることもあります。

この点、国民生活センターでは、サクラサイト商法や、副業を紹介するサイト、占いサイトによる被害に対してそれぞれ注意喚起をしています。

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【若者向け注意喚起シリーズ<No.5>】怪しい副業・アルバイトのトラブル−簡単に稼げて高収入?!うまい話には裏がある…−(発表情報)_国民生活センター

占いサイト 引き延ばされて利用料金が高額に(見守り情報)_国民生活センター

 

このように、サクラサイトによる被害は全国的に拡散しており、かつその被害の根絶には至っておらず、むしろ手を変え品を変え次々と新しい手法による詐欺被害が生まれている状況です。

そして、これらサイトによる被害はサクラサイトと総称できますが、具体的な詐欺の手法自体は各サイトによって特徴が異なることから、以下、順にご説明いたします。

その上でこれらサイトから被害金の返金を受けられるかどうかをご説明いたします。

2 出会い系サイトによる詐欺被害について

(1)特徴

出会い系サイトに登録をしたら次々とメールが届き、やりとりのために返信を続けたところ、いつまで経ってもやりとりの相手との連絡先の交換はできず、なおかつ実際に会うこともできなかったというのがいわゆる出会い系サイトの古典的な典型事例です。

他にも、サイトで知り合った人が悩んでいるので相談相手になってくれたら報酬を払うとか、自分の莫大な遺産を受け取ってくれる人を探しているとかという謳い文句でやりとりを続けさせ、ポイント購入料ばかりかかるが、いくらやりとりをしても報酬や遺産の受け取りは実現しないというケースもあります。

これらを整理すると、出会い系サイトによる詐欺被害は次の3つのパターンに整理が可能です。

(1)出会い型

 異性との出会い・交遊を誘い文句にするもの

(2)同情型

 精神的に病んだ芸能人をサイトで励ましてほしいなどと謡うもの

(3)利益誘引型

莫大な遺産が手に入るので受け取って欲しいと誘うもの

また、これらのパターンは完全に分離している訳ではなく、最近の事例では(3)の利益誘引型のパターンに(1)や(2)のパターンを組み込んでいることが多いです。

(2)出会い系サイトによる詐欺被害の実情

このような手法による出会い系サイトによる詐欺被害は、老若男女問わず被害者になり得るものです。実際、70代や80代の被害者も少なくありませんし、10代、20代の被害も同様です。さらに性別による被害者の割合も大きな開きはなく、男性でも女性でもこれら詐欺の被害に遭っているといえます。

このような被害に遭うと、当の本人は周りから詐欺だから止めなさいと言われても聞く耳を持たずいつまでもサイトの利用に夢中になってしまうことが多いようです。その結果、詐欺の被害額が多額になり、老後の生活費や家計にまで手を出し、家族が強引に法律事務所に連れてくるというケースも多く見られます。

被害額としては、現金、電子マネー、クレジットカードなどを通じて数万円から数百万円の被害に遭うことが多く、酷いケースでは数千万円の被害に及ぶ事例もあります。

3 副業サイトによる詐欺被害について

(1)特徴

副業サイトによる詐欺被害の特徴は、ネット広告などで「すき間時間で人の話を聞くだけで報酬がもらえる」とあるのを信じ、出会い系サイトなどに登録し、知り合った人から「悩みを聞いて欲しい。聞いてくれたら報酬を払う。」と言われたのでやりとりを続けたが、いつまで経っても報酬の支払いにならないというものです。

これもいわゆる出会い系サイトの一種ですが、明確に報酬を払うと謡っていること、利用者としても最初から副業目的であることが違いと言えます。

(2)副業サイトによる詐欺被害の実情

副業サイトによる詐欺被害の実情としては、女性による被害が多いということです。いわゆる典型的な出会い系サイトは男性による利用の比率が女性よりも高い反面、副業サイトの場合には、男性の悩みを女性が聞くというパターンが多いこと、主婦など空き時間に収入を得たいというニーズに付け込んだ手法になっていることが理由です。

4 占いサイトによる詐欺被害について

(1)特徴

占いサイトによる詐欺被害の特徴は、出会い系サイトや副業サイトと異なり、一見すると占いを目的としたサービスを提供しているかのようなサイトが構築されており、鑑定士と称する占い師ないし鑑定士が多数在籍しているようになっている点です。

出会い系サイトや副業サイトが一見すると一般の人とのやりとりの場を提供しているのと異なり、占いサイトの場合には専門の鑑定士が実在するような体裁になっているのです。

(2)占いサイトによる詐欺被害の実情

占いサイトでは、自分の運勢や運気などを、ポイント料(鑑定料)を支払うことで鑑定士が鑑定ないし占いをしてくれるということになっています。

しかし、サイトによっては、利用者の個別の事情(鑑定や占いに本来必要な年齢、性別、生年月日、血液型やその他の事情)を問わず一律に同一文言での鑑定結果を送信してきたりすることがあります。

また、「運気を上げるため」とか「金運を上げるため」などと称して、根拠不明な呪文のような文言をメールで多数回に渡り送信させることがあります。

当然、メールを送信する都度、料金がかかるところ、結局はこれらは利用料目的でのやりとりですから詐欺というほかありません。実際にこれらの呪文を送ったところで運気が上がるなどというものでもありません。

5 サクラサイト詐欺被害の実情と被害金の返金について

以上のように、サクラサイト詐欺被害は蔓延しています。というのもこれらサイトの運営会社は、ノウハウを用いて多数の被害者から多額の金銭を騙し取っているため、商売として成り立ってしまっているからです。

当然、違法な行為なので刑法上の詐欺罪の適用対象となりますし、民事上は不法行為による損害賠償の対象となります。

被害金を回収するためには、まずは利用したサイトの運営会社をサイトの特商法の表記などから特定をし、次に被害に遭った際の被害内容のメールなどを保存しておくことが大切です。また、被害に遭った際に支払った料金の明細(振込明細やカード明細、電子マネーの明細など)を揃えてください。

こうして証拠も揃えた後に、サイトの運営会社に被害の内容を記した内容証明郵便を送り、示談交渉を持ち掛けます。場合によっては「振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配当金の支払等に関する法律)」に基づき、被害金を振り込んだ口座を凍結するための申請をすることもあります。

さらに、示談での返金が実現しなければ民事訴訟を提起し、判決もしくは和解による解決を試みます。

このような手段を講じることで被害金の相当額の回収が実現することとなります。

執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)

1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所

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