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【トピックス】夏季休暇について(8月11日から15日は夏季休暇とします)

法律の庭

どこまでの関係を持ったら、不倫の慰謝料の対象となるのか。肉体関係までないと慰謝料の対象とならないのか。

1 不倫慰謝料の根拠について

 既婚者と不倫をすると、他方配偶者に対する関係で慰謝料の問題が生じ得ます。これは、不倫が夫婦婚姻生活の平穏という権利ないし法律上の利益を故意または過失により棄損するためです。

 そのため、①既婚者であると知らなかったし、気づき得なかった場合や②すでに夫婦の関係が破綻していた(別居中とか離婚協議中など)場合には上記の夫婦婚姻生活の平穏を侵害することはなく、慰謝料の問題は生じません。

 ここで注意が必要なのは、明確に既婚者であると知らなくても、不倫相手との会話や行動、持ち物などからして既婚者であると知り得た場合には過失が認められるので慰謝料が生じるということです。

 

2 不倫の慰謝料の相場について

 不倫の慰謝料は、上記のとおり、夫婦婚姻生活の平穏を侵害したことに対する慰謝料なので、その金額算定に際しては以下のような事情が考慮される傾向にあります。

 ①夫婦関係の期間(長い方が高額になりやすい)

 ②未成年の子の有無(幼い子がいる方が高額になりやすい)

 ③不貞の期間や回数(長い方が、多い方が高額になりやすい)

 ④不貞行為発覚後の態度(開き直りや反省の態度なしは高額になりやすい)

 ⑤夫婦関係の密度、夫婦の関係(夫婦が互いに無関心であったり、喧嘩が非常に多いような場合などは低額になりやすい)

 その上で、仮に不貞慰謝料を裁判で争うことになると、裁判所の昨今の傾向では不貞の慰謝料の平均的な相場として概ね150万円前後で考えているように思われます(地域差などはありますのであくまで岡山県の場合の例と捉えてください)。

 そして、上記の事情によって金額を増額したり減額したりして判断をしています。

 

3 実際にどこまでの関係を持ったら不倫の慰謝料が肯定されるのか

 以上の前提の上で、では、実際にどこまでの接触があれば不倫に該当し、慰謝料事由になるかを検討します。

 この点、いわゆる性交渉に至れば不倫の慰謝料が肯定されることは当然です。仮に直接の性交渉に至らずともその前提行為(お互いが裸になり、性交渉の前提に至っている)場合にも慰謝料が認められると言えます。

 この問題について判例では、必ずしも肉体関係まで持たずとも、夫婦間の婚姻関係を破たんに至らせる可能性がある異性との接触関係を持って不倫の慰謝料を認めることがあります。

 

 すなわち、肉体関係は不倫による慰謝料請求の必須条件ではありません。

 たとえば、肉体関係に至らずとも性交類似行為(キスや裸での接触等)や、将来の婚姻の約束、頻繁な性的なメールのやりとりなども一方当事者の婚姻関係を破たんに至らせるものとして慰謝料の対象となり得ます。

 

 したがって、慰謝料を請求する側としては、できれば肉体関係を持ったことの証拠が欲しいけど、これがなくとも請求の余地はあること、他方で慰謝料を請求される側としては、肉体関係の証拠がなくても慰謝料が生じる余地があることを注意すべきです。

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