【遺産分割遺産問題事例】

相続人の一部が韓国に居住する韓国籍の者であり、連絡がつかず、協議が進まなかった事例

相談者:60代  男性
多数の相続人のうち、一部の相続人が韓国に居住する韓国籍の者であることから、当事者間での連絡ができず、相続した不動産の名義変更が難航していた事案です。

依頼者の方は、自らもしくは司法書士に依頼をし、先代からの土地名義の変更のために各相続人の戸籍などを取り付けていました。

ところが、相続人の一部に韓国籍の者がいることが明らかとなったため、韓国民団を通じてこれらの者の家族関係証明書等(日本でいうところの戸籍などに相当する書類)を取り付けました。

また、これらの者が韓国に在住しているため、電話連絡などを試みました。

しかし、遺産分割のことについてはこちらの事情を理解してもらえず、協議は成立しませんでした。

やむなく家庭裁判所での調停などを経ることとし、当職への依頼となりました。

その後、調停の申し立てと審判を経て、無事に依頼者の方への名義変更が実現しました。

相続人の数 20名以上
海外に居住する相続人の数 5名
採用した手続き 調停及び審判
結論 遺産について依頼者が取得
解決までの期間 4年半
結婚や離婚をする中で、外国に住む外国籍者の方が相続人になることも当然にあり得ることです。

この場合でもお互いでの協議が可能であれば協議による遺産分割は可能です。

しかし、疎遠であったり、言語や文化、価値観の相違といった問題から協議自体ができない事例も散見されます。

このような場合には最終的には裁判所の調停ないし審判という手段をとることで解決は可能です。

とはいえ、本件においてもそうでしたが、外国に居住する者を相手とする調停などの手続きは、提出書類の取り付け、翻訳、海外への書類の送達といった点などから非常に難しい手続きが必要です。

併せて、これらの手続きをすべて踏まないとならず、解決までの期間も相当長期に及びます。

そのため、弁護士への依頼が有効な事案といえます。
弁護士法人 岡山香川架け橋法律事務所