弁護士は法律を守るのか、依頼者を守るのか。

とある方が、「弁護士は法律を守るのではなく、依頼者を守るために存在するのだ。依頼者を守らない弁護士は弁護士ではない。」と言っていました。

 

その言い分は一見なるほど、と思うものです。

 

が、なんとなく違和感があります。

 

弁護士が依頼者を守るのはそのとおりですが、弁護士はあくまで法律家です。依頼者を守るためには既存の法律の枠内でしか守ることはできないのです。

 

法律をまったく無視して依頼者を守ることはできません。

 

もし、今ある法律が依頼者を守るために不十分であるなら、その場合には法律そのものを変える必要があり、そのために弁護士が尽力することは過去の例をみても無数にあります。

 

だけど、今ある法律が依頼者を守るために不十分だということでその法律自体を無視してしまえ、という態度をとっても結局依頼者を守る結果にはならないのです。

 

ちょっとした一言でしたが、弁護士という本質を考えさせるおもしろい言葉でした。

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