法的トラブルに巻き込まれ、弁護士への相談を考えた際、ネットで検索するケースが非常に多くなっています。
今の時代、ネット検索は、何にも代え難い非常に便利なツールですが、少なくとも弁護士選び、弁護士検索の際には次のことをご注意されることをお勧めします。
?着手金無料、完全成功報酬をやたらとアピールする事務所は要注意
どんな分野であろうとも、着手金無料、完全成功報酬をやたらとアピールする事務所は気をつけてください。簡単に解決する事案や、依頼者が望まない形での早期解決かつ低水準での解決を推し進め、「成功報酬」を取ろうとする可能性があります。
また、着手金無料であっても、成功報酬の金額が、一般の法律事務所の成功報酬の金額に照らしてやたらと高く設定されていることもあります。
例えば、一般の法律事務所では着手金が10万円、成功報酬が30万円が相場の事案で、着手金は0円だけど、成功報酬は60万円とすることもあり得るのです。
「タダより高い物はない」
そう肝に銘じてください。
(2)相談や依頼の対応を弁護士が(ほとんど)直接行わない
全国から多数の案件を受け付けて、実際の相談対応や依頼対応を弁護士自身が行わず、法律事務所の職員(もちろん無資格)に任せっきりにする事案が見受けられます。
当然、弁護士以外の無資格者が法律事務(相談対応や依頼対応など)を行えば弁護士法違反です。
多くの方は、「弁護士に相談、依頼すること自体が初めて」なため、弁護士が直接対応しなくても「そういうものか」と受け止めてしまいがちです。
しかし、このような相談、依頼対応は違法ですからご注意ください。
当然、このような対応で依頼の案件がうまく解決する余地は低いです。
(3)電話やメールだけで依頼を受ける法律事務所
厳密には、弁護士への依頼の際に電話やメールだけで依頼を受けていけないことはありません。
しかし、多数の過払い金事件が生じた際に、面談を行わずに案件処理を進めた事務所の処理方法に批判が殺到し(依頼者を食い物にした)、少なくとも債務整理については弁護士が直接の面談を行う義務が日弁連の規定で定められました。
その趣旨からすれば、やはり債務整理事案以外でも弁護士が依頼者と直接の面談をすべきことに変わりはありません。
とりわけ、依頼者の方にとっては、「人生で初めての弁護士への相談や依頼」であり、内容によっては「人生を大きく左右するほど」の重大事です。
そのため、きちんと依頼者の方と面談の上で相談対応や依頼対応をしているかは非常に重要です。
ネット検索で弁護士を選ぶこと自体は何ら問題ありません。
しかし、その結果、相談者や依頼者の方が本来のトラブルと別のトラブル(弁護士とのトラブル)に遭遇したり、案件の処理方法や内容、費用に関して不利な結論を強いられないようにして頂きたいのです。
私自身も、一市民としてはネット検索を便利に使っています。
しかし、ネットの情報は「玉石混交」との思いで見るようにしています。当然、大事なことを調べたり決めたりする際にはネット検索だけではなく、人から情報を得たり意見をもらったり、文献や本で調べたりするようにしています。
残念ながら、法律事務所のネット広告の解禁と、浸透により、ネットでの弁護士選任のトラブルが後を絶ちません。当事務所でもこれまで複数の、ネットを通じた弁護士選任の被害相談を受けています。
少なくともこのブログを閲覧された方が、そのような被害に遭わないことをお祈りいたします。