昨今、政界や経済界において、さかんに「生産性を高める」などという趣旨の言葉を聞きます。
改めてその意味を考えてみると、人が生み出す付加価値などと説明されたりします。
もうちょっと具体的には、人がある労働をした結果、生まれる価値とでもいえます。
【例】
時給単価900円のAさんが、600円のランチ(材料等原価を200円とする)を1時間で30人前作って顧客に提供した
→この場合、売り上げ=18,000円で、それに対する人件費と材料費の合計が6,900円です。結局、これら原価を用いてお店は11,100円の付加価値を生んだと言えます。
結局、生産性を高めるためには、安い賃金、安い原価で、高く売れればよいことになります。しかし、安い賃金、原価では、いい商品は提供できないので、今後は、高い賃金、高い原価でもよいので、従前の商品の枠を超えるような高額の商品を提供できるようにすることが目下の目標でしょうか。
もしくは、高い賃金、高い原価で、圧倒的多数の顧客が買い求める商品を世界中に販売するというのでもよいでしょう。
このような意味では、よく引き合いに出されるのがアメリカのビジネスです。
アップル、Google、アマゾン、FBなど世界中にサービスや商品を提供し、無数の顧客を持っており、その生産性の高さは比較になりません。
また、ドイツの、高額でも世界中で売れる高性能な車も付加価値の高い商品といえます。
日本でも、このような意味での商品やサービスを提供できるよう、今後の努力が必要だと思います。そのためには、今まで存在しなかったモノを作る、作れるような発想が必要で、その意味では教育や改革が必要なのでしょう。
しかし、国の政策に頼っているようでは、本当の意味での生産性向上は期待できないと思います。個人や企業が本当に必死になって生産性の向上に取り組むべきでしょう。
弁護士業界的には、ITの駆使が目下のところ生産性向上に非常に有益です。最近では、チャット、ファイル共有ソフト、音声入力ソフトなどを活用し、自分なりに生産性の向上に努めている次第です。