日々、いろんな事件の相談を受けますが、基本的には「まったく同じ事件」というものはありません。
ただ、「信じられないくらいそっくりな事件」というのがたまにあります。
私自身の担当した事件ではありませんが、岡山のスーパーで、床に落ちていたアイスクリームで滑って転び、足の骨を折るなどしたことの責任を追及する訴訟が岡山地裁でありました。
岡山地裁は店側の責任を認め、約900万円の賠償を認める判決を言い渡しました。
この事件は、私が懇意にしてもらっている先輩弁護士が勝ち取った判決です。
なので、事件の概要や勝訴に至った決め手について後日、聞かせてもらったことがあります。
すると、昨日、県外の知人から電話で、「スーパーの野菜コーナーに落ちていた白菜で滑って半月板を骨折したのだが、店から賠償をとれるか?」と相談がありました。
冗談のようですが、「信じられないくらいそっくりな事件」です。
ただ、アイス転倒事件のことが念頭にあったため、白菜転倒事件についてもこれを踏まえ、適切なアドバイスができたように思います。
ところで、冒頭では「まったく同じ事件」はない、と書きましたが、ここまでそっくりではなくとも「似た事件」は結構あります。
そして、裁判所の判例の蓄積や自分の弁護士としての経験により、先例を元にして事案の解決を図る、アドバイスをする、ということがよくあるのです。
まさに先人の知恵や、自分の経験を活かして仕事をしている感じです。
突拍子もない出来事ですが、後日役に立つことがあるものですね。
それにしても、スーパーでの買い物の際には床に落ちている物に要注意です。