出会い系サイトや副業サイトの詐欺被害に遭う人は男性が多いですか、女性が多いですか?特徴を教えてください。

1 はじめに

世間一般には、出会い系サイトというと「男女の出会いを目的としたものであり、その利用者は男性が大半なのではないか」とのイメージが少なくないようです。そのイメージのためか、出会い系サイトの詐欺被害に遭う被害者は大半が男性なのではないかと思われているようです。

しかし、出会い系サイトの詐欺の手法が多様化していることに照らすと必ずしもこのようなイメージ通りではないことが分かります。

2 出会い系サイトの詐欺の手口の手法について

昨今の出会いサイトによる詐欺被害においては、詐欺の手口が多様化しています。すなわち、詐欺の手口としては、以下のように整理が可能で、多様化している状況が明らかといえます。

(1)出会い型

異性との出会い・交遊を誘い文句にするもの

(2)同情型

精神的に病んだ芸能人をサイトで励ましてほしいなどと謡うもの

(3)利益誘引型

莫大な遺産が手に入るので受け取って欲しいと誘うもの

また、これらのパターンは完全に分離している訳ではなく、最近の事例では(3)の利益誘引型のパターンに(1)や(2)のパターンを組み込んでいることが多いです。

そのため、いわゆる典型的な出会い系サイトのイメージである(1)出会い型が詐欺の手法の大半を占めているとはならず、(2)や(3)の手法を通じて多くの女性もまた被害に遭っているのが実情なのです。

3 (2)利益供与型の詐欺被害者の実像について

とりわけ、(2)利益供与型ではメールのやりとりをしてくれたら報酬をくれる、などの手口による出会い系サイトの場合には男性よりも女性の被害者の数の方が多いのが実情です。

これは、主婦の方が、家計の助けにしようと思って家事の合間にできた時間でメールをやりとりするようになったりすることが原因と思われます。

何とか家計の足しにしようと思って始めたものの、みるみるうちにポイント料名目でお金が消えていくこととなり、気が付いた時には貯蓄を食いつぶしていたというケースも散見されます。

4 まとめ

このように、出会い系サイトの詐欺被害の特徴としては男性に限ることなく、むしろ女性の被害者が増えている点に気を付けて頂きたいと思います。

執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
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