労働事件の相談のうち、パワハラの相談はとても多いです。しかし、他方でパワハラによる損害賠償を請求する訴訟はそれほど多くありません。
その理由は
(1)パワハラを受けたとの主張が裁判所でも通用するほどのものと言えるか否かが難しい
(2)パワハラの立証が難しい
という点にあります。
(1)については、パワハラをしたとされる側の人間は、「業務上必要なことを指示した」「叱咤激励のつもりで厳しい指導をしたまで」などと主張します。
パワハラについては、業務上の必要性を越えた過剰なものであったか否か、業務とまったく関連性がなかったか否かなどをパワハラ被害にあった側が主張しないといけないのです。そして、その線引きが難しく、裁判所も容易にこれを認めてくれないのです。
(2)については、パワハラは往々にして言葉や態度など後日形に残らないことが多く、これをいかにして証拠として保存するか、とても苦労する点です。
裁判はあくまで証拠に基づき審理されます。パワハラの重要な部分を証拠として保存できなければ裁判所がこれを認めることは難しいのです。
逆に、これらをクリアーすればパワハラ訴訟でも勝訴することは十分に可能です。
執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更