自分の子どもに会いたいという親の心情は親である以上、当然の気持ちです。
別居していれば特にその気持ちは強くなりますし、ましてや離婚問題が関係しての別居の場合には、相手がきちんと養育しているかなど、心配になるので余計にその気持ちが強いことと思います。
そのため、離婚調停や面会交流申し立て調停などを使って相手に子どもとの面会交流を要求することもできます。なので、別居中の相手に対してこれら調停手続きをつかって面会を要求することができます。
ただ、子どもとの面会について、裁判所の基本的な考え方は、「その面会がその子どものためになるか否か」という点を重視します。
なので、子どもが過度に面会を嫌がっている、子どもが体調が悪いような場合には実施を見送ることもあります。また、面会を実施するに際しても、子どもの気持ちを最大限に尊重します。
要するに、子どもとの面会は、「親が自分の親として子どもに会いたい」という欲求を満たすためのものでなないということです。
この点、往々にして忘れられがちですが、離婚や別居による一番の被害者は子どもです。離婚別居によって一緒に生活しなくなった親が、単に子どもに会いたいと思ったらいつでも会えるというものではないのです。
裁判所ではこのように考えるので、面会の実施に際して子どもの気持ちを十分に配慮します。これから子どもとの面会を要求する場合には、「当該面会が子どものためになるように意識する」ことが重要です。
執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所