建物の賃貸借契約は、建物を貸すこと、これに対して賃料を支払うことが貸主・借主の義務となります。
賃料を払わないのであれば、その義務を怠ったこととなるので契約を解除して明け渡してもらうことができます。
ただ、判例法理上、賃貸借契約は継続的契約であるために、賃料の滞納による解除が可能となるためには賃貸人と賃借人との信頼関係が破壊された、との事情が必要とされていいます。
たとえば、何年間もきちんと賃料を支払い続けてきた借主が、ただ一回だけ賃料の支払いが遅れたというような場合は信頼関係の破壊はなく、解除はできないということとなります。
逆に、何度督促しても毎回毎回遅れて支払う、または支払わないということを繰り返している場合にはもはや信頼関係は破壊されていますから解除ができることとなります。
このあたりの事情を考慮して、契約を解除するとの通知書を送り、明け渡しを要求することができます。
話し合いでの退去に応じない場合には、明け渡しを求める裁判を起こす必要があります。裁判で勝訴しても賃借人が退去しない場合には強制執行の手段をとる必要があります。
総じて、建物の明け渡しの紛争は、賃料滞納などが始まってから実際に解決に至るまで相当長期間にわたることが多いです。
そのため、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めいたします。
執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更