この記事について
プロバイダーからの意見照会書の回答期限が迫っていても、決してパニックにならないでください。まずはご自身で回答書を作成し、対応するためのポイントを以下の要点にてご確認ください。
1.回答期限の延長(猶予)について
結論
回答期限の延長は、受け付けるプロバイダーとそうでないプロバイダーがあります。
理由・対応
期限の延長ができるかどうかはプロバイダーごとの運用によって異なります。回答期限が近い場合には、以下の方法で直接プロバイダーへお尋ねください。
(1)電話で連絡する場合
手元にプロバイダーから届いた 「意見照会書(または封筒一式)」を用意した状態 で、記載されている問い合わせ先に発信してください。
あなた(回線契約者): 「お世話になります。契約者の〇〇(ご自身の氏名)と申します。先日、貴社から『発信者情報開示に係る意見照会書』という書類が届きました。書類に記載されている 【照会番号(または管理番号)】 は、〇〇〇〇です。」
プロバイダー担当者: 「確認いたします。ご用件はどのようなことでしょうか。」
あなた: 「回答期限が〇月〇日とされているのですが、大変難しい法律問題が含まれており、自身での判断が困難な状態です。 現在、専門の弁護士への法律相談を予約し、進めている最中 ですので、正式な回答書を提出するまで、期限を少し猶予していただくことは可能でしょうか。」
プロバイダー担当者: 「分かりました。それでは、〇週間(あるいは〇月〇日まで)期限を延長いたします。」(※プロバイダーにより延長可能な期間は異なります)
(2)メール・問い合わせフォームで連絡する場合
書類にメールアドレスが記載されている場合などは、以下の文面を活用してください。
件名: 発信者情報開示に係る意見照会書に関する回答期限猶予のお願い(照会番号:[書類の番号])
本文: [プロバイダー会社名] 御中 いつも大変お世話になっております。貴社インターネット回線契約者の [契約者氏名] と申します。 先日受領いたしました「発信者情報開示に係る意見照会書」に関しまして、専門的な法的判断を要する内容であるため、現在、トレント案件に精通した弁護士への法律相談を進めております。 つきましては、適切な回答書作成のため、回答期限(令和〇年〇月〇日)を 【2週間程度】猶予 していただけないでしょうか。 期限延長の可否および新たな期日について、ご教示いただけますと幸いです。
(3)弁護士からの実務上の注意点
連絡を入れる際は、以下の点を必ず頭に入れておいてください。
- 契約名義人本人が連絡すること: 意見照会書の手続きは回線の「契約名義人」に対して行われています。ソフトバンクやNTTドコモなど、一部の主要プロバイダーは契約者本人以外からの問い合わせを一切受け付けない厳しい運用をしています。
- すべてのプロバイダーが延長を認めるとは限らない: 回答期限の延長は、受け付けるプロバイダーと、そうではないプロバイダーが存在します。プロバイダーによっては一律に「期限の変更は認められない」と回答されるケースもあります。
- 電話番号が書いていない場合は、記載の期限内に出すこと: 問い合わせ先に電話番号が記載されていない、あるいは確認が取れない場合には期限の交渉ができません。不利益を避けるために、 書類に記載されている当初の期限までに必ず回答書を発送してください
2.期限までに回答しなかった(無視した)場合
結論
勝手に同意したことにはならないので、過剰に心配する必要はありません。
理由・対応
期限までに回答しなかったからといって「開示に同意した」とみなされるわけではありません。手続き上は「開示に関して特段の主張を行わないもの」として扱われるだけですので、慌てて不安になりすぎる必要はありません。
3.期限を過ぎてから回答書を提出する場合
結論
期限経過後であっても、事実上受け付けてもらえることがある模様です。
理由・対応
期限を過ぎたからといって即座に締め切られるわけではなく、プロバイダー側での開示・不開示の最終的な判断手続きが完了する前であれば間に合う可能性があるためです。
4.回答書の記載方法について(ご自身で作成する場合)
回答書は、実際の利用者が誰であれ、原則として意見照会書を受け取った「プロバイダーの契約名義人」からの作成、提出を求めるプロバイダー(ソフトバンクやドコモなど)とそうでないプロバイダー(実際の利用者からの回答を受け付けるプロバイダー)があります。ご自身の状況に合わせて、以下のいずれかの方法で記載してください。
① 同意の場合の書き方
ご自身(またはご家族)のトレント利用が事実であり、情報開示に応じる場合は、回答書の「発信者情報開示に同意します」といった項目にチェック(〇)を入れ、ご署名・ご捺印などの必要事項を記入して返送します。
② 不同意の場合の書き方
身に覚えがない場合や開示を拒否したい場合は、「発信者情報開示に同意しません」といった項目にチェック(〇)を入れた上で、必ず具体的な理由を記載する必要があります。
理由の書き方例: 「ビットトレントシステムを利用した事実が一切ない」「対象のファイルに見覚えがない」「同居の家族や友人が自分の知らない間に勝手に利用した」「指定された日時のタイムスタンプ時にはパソコンを起動していなかった(利用できなかった)」など、ご自身の状況に合わせて具体的に記載してください。
■ ご不安な場合は弁護士へご相談を。
ご自身で回答書を作成することに不安がある場合や、不同意の理由をどのように書けば開示を阻止できるか迷われる場合は、提出してしまう前に、まずは当事務所にご相談ください。
トレント案件の経験豊富な弁護士が、状況に応じた最適な書き方のアドバイスや、その後の示談交渉のリスクを見据えたサポートをご提供いたします。


