他人に迷惑をかける人ほど人を助ける
日本の教育では、「他人に迷惑をかけるな」ということが言われがちです。
自分のことで他人を煩わせてはいけないということなのだと思います。
そのためか、公の場では大人が子どもに「おとなしくしなさい」「あっちいってはだめ」「それを触ってはだめ」と必死な様子を見かけることがままあります。
しかし、欧米では必ずしも「他人に迷惑をかけるな」という教育は行われていません。特に子どもは他人に迷惑をかけて当たり前であり、子どもが走り回ったりしても気にすることなどないことも多いです。
むしろ、叱られるとしたら、子どもが走り回ったりした際にこれを迷惑そうにしたり、危険を放置したりした大人の方です。
結局、人は他人に迷惑をかけることが当然であり、その際、何かできることがあれば周囲が助けるという仕組みで成り立っているのだと言えます。
また、他人に迷惑をかけたことがある人は、他人から助けられた経験が多く、その結果、今度は自分が他人を助ける側になろうとの動機付けにもなります。自分がしてもらったことを今度は人に返そう、ということです。
これは、他人に迷惑をかける人ほど他人を多く助けるとも言えます。逆に他人に迷惑をかけたことのない人は他人を助けることもないとも言えてしまいます。
大事なことは、他人に迷惑をかけないように生きることではなく、迷惑をかけた分、しっかりと人を助けるような生き方なんだと思います。
思えば自分もこれまで本当に多くの人に迷惑をかけてきました。だからこそ人に助けられることのありがたみを知っていますし、今となっては人を助けることそのものを仕事としています。
今、この仕事に就けているのは、ひょっとしたら若いころにたくさんたくさん、人に迷惑をかけ続けた結果なのかもしれません。
だから、多くの子どもたちには、それから新社会人や若い人には、「思いっきり他人に迷惑をかけなさい。しかし、その分、きちんと何倍にもして人や社会にお返しをしなさい。」と言ってあげたいです。