覚悟か金か~離婚に際して必要なのは?~
家庭裁判所の待合室にて、依頼者の方とお待ちしていたら、他の弁護士とその依頼者さんの会話が聞こえてきました。
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依頼者さん「それにしても子ども連れて出るなんて、いくら離婚したいと言ってもよっぽど覚悟がないとできないですよね。」
弁護士さん「いやいや、覚悟うんぬんじゃなくて別居後の生活のためには金がいるからその金をどう工面するかの問題なんじゃ。」
依頼者さん「うーん。それにしても後先考えず、飛び出すなんてよっぽどの覚悟があったんだろうと思うんです。」
弁護士さん「覚悟があったかどうかじゃなくって、生活するための金をどうにか工面したいうことじゃないんか。」
依頼者さん「そうなんですかねー。でも、よくそんな覚悟があったなと思いますよ。」
ー以下、エンドレスに同様のやりとりが続く、、、―
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依頼者さんが言いたいのは、「子どもを連れて別居し、離婚に向けて進めるには『覚悟』が大切だ」ということのようです。
そして、弁護士さんが言いたいのは、「覚悟うんぬんではなく、現実問題として生活していくための経済的な『金』が大切だ」ということのようです。
この点、お二人の言いたいことはいずれも『もっとも』なのですが、言ってみれば『覚悟』というのは『気持ち』の問題であり、『金』というのは『現実』の問題です。なので決して矛盾するものではないのですが、弁護士さんは離婚するにはその『現実』が重要なんだと言いたいのでしょう。
現実を見据えて事(離婚)を進めないと、そう簡単にはうまくいかないということを伝えたかったようです。
ですが、お二人のやりとりが一向に噛み合っていかないので、途中で何だかもどかしくなってしまいました。
そして、離婚に際して一番大切なことは、金と覚悟を持って事を進めることです。それらがあれば離婚という一大事がうまくいく可能性が高くなります。