選択と集中
どんな事業でも「選択と集中」が重要と言われたりします。
自分の事業の得意分野に特化し、それ以外の分野を切り離したりすることで、得意分野を中心に顧客をつかみ、他社の追従を許さず、独占的な利益をあげるということです。
選択と集中をした方が、より良いサービスを提供でき、また顧客からの信頼も厚くなり結果的に「なんでも取り扱う」よりも効果的になるのです。
弁護士の分野も同じ傾向を進みつつあります。
過去には「過払い専門法律事務所」が急増しました。
最近は交通事故専門、離婚専門、刑事専門などをよくみかけます(厳密には弁護士倫理の公告規制の関係で「専門」という表現はしていないですが。)。
この選択と集中という考え方は、言うは易く行うは難しのところがあり、実際に踏み切ることには躊躇しがちです。
「メニューを1つに限定したら、お客が減るのではないか?」
「離婚事件専門にしてしまったら、その他の事件が来なくなってかえってヒマになるのではないか?」
とか、そんな悩みを持つのです。
でも、あらゆる業界で、顧客ニーズは従来より以上に「専門化・専門家」を求める傾向にあります。今後、この傾向が強まることはあっても弱まることは絶対にないと思います。
そして、この「専門化・専門家」の傾向をインターネットが支え、加速化させていることも間違いないでしょう。
ちょっと検索するとなんでも分かる時代です。そして、表面的なホームページで済んでいたのも一昔前までで、最近はホームページを持つことはどの業態でもほぼ必須で、しかも持つだけでは足りず、より特化したホームページを持つ会社が有利なのも明らかです。
事業の選択と集中、専門化・専門家傾向ですが、先日は都内で「卵かけごはん専門店」を見かけました。
いわずもがな、卵かけごはんを主力としたお店です(いちおう親子丼と玉子丼もありますが、ほとんどみな、卵かけごはんを注文します)。いつ行ってもいい時間帯になると行列ができています。
卵かけごはんという誰でも安価に食べられる料理(?)を、専門化することで行列のできる店が作れるのです。
当然、ここの卵には相当のこだわりがあるのであえて行く価値があるということなのでしょう。
選択と集中というのは時に不安になりますが、うまく実行すると他の誰もマネできない成功を収める余地があるのです。併せて、顧客に対して最高のサービスや満足を提供できるのです。