「テロはいけない」と批判するだけでよいのか。
フランスで連続テロ事件がありました。
おおくの犠牲者を出す悲惨な事件となってしまいました。
この事件について、「テロはいけない」というのはまったくもってその通りだと思います。
また、民主主義にとって表現の自由が重要だということもその通りだと思います。
ただ、事の発端となったシャルリエブド社の風刺画ですが、その内容が極めて挑発的、過激であったことも事実です。
イスラム教の信者が、命にもかえて大切にしたい信仰を、風刺画でバカにされたと思われても仕方ないように思います。
テロはいけませんが、他人を尊重しない表現もいけないことなのではないでしょうか。
今回のテロに関しては、宗教、犯人の出自や、欧州における移民の問題、テロ組織との関わりなど複雑な問題が絡み合っていますが、少なくともいえるのは、このような極端な風刺画による表現を自制していれば、多数の死者が出なくて済んだのではないか、ということです。
何か問題が起きてから対処するのではなく、そもそもこのような悲惨な問題が起きないよう対処する知恵こそ人間の持つ優れた能力のはずです。
ちなみに、このテロに対して安倍首相は、「言論の自由、報道の自由に対するテロであり、断じて許すことはできない。強く非難する。」と8日午前、記者団に答えました。
しかし他方で、安倍首相は、昨年末の衆議院の解散に関してとある大学生が小学生に扮して立ち上げたHPに対し、「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為だと思います。」と、表現の自由に対し強烈な批判をしました。
このような安倍首相のご都合主義的な価値判断についても疑問を感じます。
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