善は急げのせっかち人間
インターネット社会と弁護士の役割
日々の生活に必須不可欠な技術となったインターネットですが、便利さの裏側で困った問題も多々生じています。
昨今ではやはりインターネット上の誹謗中傷問題です。
「あらぬことを書かれて傷ついた。削除をして欲しいし、投稿者の開示を求めたい。」というご相談はもちろん、
「思わず書きすぎてしまった。発信者情報開示の意見照会がプロバイダーから届いたがどうしたらよいか。」
というご相談も多々寄せられています。
投稿内容の削除請求は人格権に基づく妨害排除請求権の行使として認められることとなります。また、発信者情報開示についてはプロバイダー責任制限法を根拠として、権利侵害の明白性を理由に認められることとなります。
これらはいずれも法律上の根拠のある権利による請求です。やはり弁護士の出番そのものです。
インターネット名誉棄損とは別の問題としては、国際ロマンス詐欺やサクラサイト、占いサイト詐欺被害事案への対処です。自宅時間の増えた中、インターネットを通じた各種詐欺事案が後を絶たない状況です。
これら詐欺に対しては、刑事上の責任追及や、犯罪収益移転防止法に基づく口座凍結、不法行為を理由とした民事損害賠償請求などの手段をとることができます。これらも当然、法律上の根拠ある手段です。いずれも要件が複雑ですからやはり弁護士の腕の見せ所といえます。
他にもインターネット上のいじめ問題やヘイトスピーチによる人権侵害などもあり、生活インフラであるインターネット上でありとあらゆる権利侵害や犯罪が横行しているとも言い得ます。
当事務所では、インターネットの知識も前提にこれら案件に対処を続けています。ここ数日もこれら案件のご相談を多数頂いている状況です。社会の中で当事務所としての使命を感じる今日この頃です。
企業メッセージの伝え方
吉野家の常務が不適切発言を理由に解任されました。大学の講座でのことです。
弁護する訳ではありませんし、賛同する訳でもありませんが、この常務自身は、自分なりの企業メッセージを学生に伝えたかったのだろうとは思います。吉野家の提供する自慢の牛丼をいかにしてマーケットで浸透させ、顧客を掴むかという話の中で、牛丼に夢中にさせる方法を提示したかったのでしょう。
当然、問題となった表現自体、大問題であり、いかなる理由があろうとも容認されようもありません。女性を卑下した表現、牛丼を違法薬物と同列視するような比喩などどうしてこんな表現になったのかと思います。
なので、この度の吉野家常務の企業メッセージの伝え方には大きな驕りや思い込み、人権感覚の欠如ゆえに大失敗に至りました。
これとは別に、スターバックスコーヒージャパンの紙袋の底面に、次のようなメッセージを見つけました。
[Reuse it again and again. Then recycle it-again.]
「この紙袋を何度も何度も使ってください。それからこれを再びリサイクルしてください。」
率直に良いメッセージだと感じました。環境問題が取りざたされている中、企業としてできること、顧客に求めることを明確かつ端的に打ち出しています。
ただ、メッセージの箇所が目立たないことや、なぜ日本語でなく英語表記にしたのかなど若干の疑問も感じました。その意味ではより一層、メッセージの発信の仕方としてさらなる工夫の余地があると思います。
いずれの企業も超有名企業です。その企業において、企業の理念やあり方、社会での役割などをどのように伝えようとしているのか、非常に参考になる事例でした。
4月から5月の「予定」について
4月になり2022年度は始まりました。業界的には3月末から4月上旬は裁判所の期日が入らない(特に4月の第1週)のと、弁護士会の委員会活動なども止まるので業務が落ち着く時期です。
その後、徐々に裁判の期日も動き出し、弁護士会の委員会活動なども始まるので忙しい日々が再開します。
なおかつ、4月末からのゴールデンウイークまでの間にいろいろと業務を進めておこう(連休はできれば休みたいし、やるべきことを残すとゆっくり休めない)との気持ちも生じるため、4月末は忙しくなることが多いです。
今年も例年に漏れず、上記のような状況です。今日はすでに4月15日です。ゴールデンウィークまであと2週間。
いろいろと区切りをつけて連休に向かいたいものです。
山あり谷あり架け橋あり?
登山に行きました。かなりの傾斜の山を黙々と登り、何とか登頂しました。その後、下山の際には登りとは異なり余裕も出て、あれこれと考え事をしながら足を進めました。
途中でふと、「人生山あり谷あり」という言葉が頭に浮かびました。まさに登山にふさわしい言葉です。
人生というのは厳しい登りや急な下り坂の連続であり、決して平たんな道ばかりではない。
その様子を端的に表す言葉です。
そして、そんな言葉が浮かんだ後には、「でも、人生の多くの苦難の中で誰かが手を差し伸べてくれたらどれだけ助かることだろう?我が事務所もやはりそういう存在でありたい。」との考えに至りました。
人生はただでさえ苦労が多いのですから、そんな時に支えになれたらどれだけ人生は楽になることでしょうか。我が事務所もトラブルを抱えた方々の支えになりたいと思ったのです。
その上でこれからは「人生は山あり谷あり、架け橋あり。」と思ってもらえたら良いな、との結論に至りました。人生には多くの苦難がありますが、乗り越えるための力になれるよう、ぜひうちの事務所に頼ってもらえたらとの思いです。
そんな結論に至りつつ、無事に下山をし、近くの温泉に浸かってから帰宅しました。何だか登山でいつもと違う思考を巡らせ、心身共にリフレッシュができました。
自己紹介
こんにちは。弁護士の河田です。
これからは、時々わたしもブログを書かせて頂くことになりました。
よろしくお付き合いください。
さて、当事務所には2名の弁護士が在籍しています。お電話のとき、「どちらの弁護士さんに相談すればいいでしょうか?」と悩まれる方もおられます。
そこで、せっかくなので、私自身の自己紹介をさせて頂き、参考にして頂ければと思います。
➀相談スタイルと性格について。
私は、基本的に、まずはその方の話をしっかり聞くこと、説明はできるだけ丁寧に行うことを心掛けています。
ですから、「丁寧に・詳しく」を求める方とはマッチしやすいように思います。
また、人当たりが柔らかいのも長所だと思っています。相談者の方を叱りつける、なんてことはないので、安心してご相談に来てください。HSP特性などの方でも安心してお話できる雰囲気を心掛けています。
➁興味のある分野について。
家庭をめぐる法律問題については、学生の頃から強い関心を持っています。
その他、最近は、色んな人が自由に表現行為(動画やイラストの投稿等)をできるようになっていることから、知的財産を巡る問題にも興味があります。
➂主義について。
うどんとおそばならうどん派、つぶあんとこしあんならつぶあん派、たけのこときのこならたけのこ派です。
(主義の合う方は、気も合うかも?)
以上、参考にして頂ければ幸いです。
新年度に向けて
今日は3月30日です。例年通り、年度末には裁判所の期日がほぼありません。年度初めはより一層、ありません。
年度末の3月29日ころまでは若干、入るものの、30日、31日にはまずもって期日は入りません。そして、年度初めの4月1日からの1週間はほぼ期日は入りません。
そのため今日以降、4月8日までは裁判や調停など裁判所での期日のない日々を過ごします。
結果、事務所にいる時間が増え、かつ自由に使える時間が増えます。ある意味でゆったりしたペースで仕事をすることが多いのがこの年度末から年度初めにかけての期間です。
とはいえ、新年度に向けていろいろと進めていかないといけないこともあるため、あんまりボケッとしている訳にもいきません。
プライベートでも生活状況に変化があります。
新しい年度に向けて、いったんペースを落としつつも、また気を引き締めていかなくてはと思っています。
どんな探偵事務所に依頼すべきか?
セカンドオピニオンと受任~弁護士選びの難しさ~
最近はセカンドオピニオンが増えています。
。。。
とある事務所に相談をしたけどこちらにも相談をし、、、とか、とある弁護士に依頼しているけど進め方が気になるので相談をしたい、、、とか。
場合によっては複数の事務所に相談をしている方も少なくありません。
そのような相談を経て、結果、当所を選んでくださるケースも少なくありません。
率直に嬉しく思います。
。。。
弁護士や法律事務所を選ぶことは本当に難しいと思います。HPやポータルサイトも増えました。そもそも何を基準に選んでよいのかもわかりにくいです。費用設定も理解しがたく、かつA事務所とB事務所とで費用の項目や対象が違っていたりもします。
そうすると、結局のところ、相談に赴き、「助言の内容は自分の考えに沿うものがあるか」「費用の説明が明瞭か」「弁護士の知識経験はどうか」「見通しの説明はどうか」「人として信頼を置けそうか」などという観点から判断してもらうのが良いと思います。
何軒も周るのが難しいようでしたらぜひウェブサイトなどから判断してもらったらと思います。
。。。
今日もまたセカンドオピニオンのご相談を踏まえ、ご依頼を受け、とても嬉しく思っています。
すべては積み重ね~「ささるアイディア。」を読んで~
「ささるアイディア。」という本を読んでいます。
様々な分野で第一人者として活躍するクリエイターの人たちに対するインタビューをまとめた本です。
世の中に溢れるメディア、公告、商品やサービスについて、どうやったら「ささる」ものを世に打ち出せるのかのヒントがいっぱいに詰まっています。
「弁護士の呉がどうしてそんな本を?」
と思うかもしれません。
しかし、弁護士の仕事もまた、人々に「ささる」ものを提供する仕事だと思っています。
すなわち、相談者であれば相談者の方にささる助言をする、裁判であれば裁判官にささる書面を作る、調停であれば調停委員にささる話の持っていき方をするというように、日々の弁護士業務は常に周囲の方への「ささる説得」で成り立っているのです。
なので、分野は違えど表記本を読んでとても感銘を覚えています。
具体的には、「すぐれたアイディアは一握りの天才だけが出せる訳ではなく、ごく一般の人でも可能であること」や「すぐれたアイディアは丹念な下調べの結果、生み出されるものであること」などを多くのクリエイターが共通して語っている点などがとても面白いと感じました。
弁護士もきっと同じです。一握りの天才でないと弁護士になれないということはありません。
たしかに天才のように頭のいい弁護士もいます。しかし、多くの弁護士は、コツコツと勉強を重ね、その結果、試験に受かっています。
これと同様のことを有名なクリエイターたちが述べてる様子を読んで、何だかとても親近感も持ちました。
とても面白い本でした。