大切な自分の本質~夫婦別姓や同性婚の問題、ヘイトスピーチ問題から考える~
ここ最近、同性婚を認めない現行法についての違憲判決や選択的夫婦別姓制度に声を上げる市民の活動が活発になるのを見て、日本という社会のうねりを感じています。
私は間違いなく、近い将来、同性婚規定は改正されることになると思うし、選択的夫婦別姓制度も実現すると思っています。それぐらい昨今の市民の考えは「個人の尊重」「多様性」に大きく傾いています。
テニスの大坂なおみ選手が爆発的に活躍し、とてつもなく大きな影響力を持つのも当然です。彼女は自分自身について、日本、ハイチ、アメリカの3つのルーツがあり、それら3つの文化が融合したのが自分であると述べています。
その語り口はとても自然で、とても明確で、とてもスッキリしています。
このような彼女の考え方は若者にも浸透しやすいものでしょう。
本来、人はそれぞれ多様なバックボーンを持ち、ルーツがあり、それがその人それぞれの本質を形成します。
だからこそ誰でも自分の本質を大切にしたいのです。
同性婚だって、誰を愛し、誰と婚姻するかは個人の自由であり、その人の本質にかかわる問題です。その本質を肯定しない現在の法律はやはり個人の自由や尊厳を害しているとしか言いようがありません。
選択的夫婦別姓制度も同じです。自分が生まれもってきた氏を、どうして婚姻という一時で強制的に失わなくてはならないのでしょうか。長年、愛着をもって使ってきた氏をどうして法律が一方的に失わせることが許されるのでしょうか。
いずれの問題も、結局問われているのは同じことだと思います。
他方で、未だにヘイトスピーチが無くなりません。ヘイトスピーチが悪質なのは、特定の属性や特徴、出自を捉え、他人を卑下し、侮辱し、攻撃するものだからです。
誰しも自分の本質やルーツを無条件に見も知らない第三者に傷つけられる義務はありません。
それにもかかわらず加害者は、攻撃することが当然であり、権利であるかのごとくまやかしをいいます。
私は、日本で生まれ日本で育ちました。国籍は韓国です。
そのことに自分のルーツや本質があると常に思っています。
だからこそ、悪質なヘイトスピーチには大反対ですし、個人の本質を無条件に侵害する同性婚を認めない現行法や、婚姻に伴い姓を選択しなくてはならない現行法には大きな問題があると考えています。