キャッチコピーの怖さ
キャッチコピーは怖いです。
なぜなら、そのキャッチコピーが余りにも広まると、その中身が本当かどうか問わず、その中身があたかも本当かの如く人々を誤解させるからです。
最近怖いと思うキャッチコピーの一つは「人生100年時代」です。
やたらと広まってしまい、その意味するところの本当の意味を抜きに語られていると思います。
「人生100年時代だから〇〇しなくちゃならない。」とか「人生100年時代だから△△に備えないといけない。」といった具合です。
あたかも、今後はみな誰でも寿命が100年になるかの如くですが、きっとそれは違うでしょうし、仮に本当に平均寿命が100年になることがあってもそれは相当に先のことでしょう。
現に、厚労省の資料でも、現在65歳の女性のうち、100歳まで生きる割合は6%、同じく男性の場合は1%とされています。大半の方が100歳まで生きるとは到底言えない数字です。
なので、「人生100年時代」ということの意味を「誰でも皆、100歳まで生きる」と考えることは早計に過ぎます。
それにもかかわらず、最近はこの「人生100年時代」のキャッチコピーがやたらと広まり過ぎて、誰でも彼でも、100歳まで生きるのが当然のように誤解錯覚していないでしょうか。
そして、そのような誤解錯覚により得をするのは誰でしょうか?当然、当該キャッチコピーを創り出し、普及させた方々です。
現在、政府は人生100年時代を謳い文句にあれこれ政策を立案していますが、このキャッチコピーを使って国民をうまく誘導している感が強いです。
大切なことは、目の前の根拠不明な統計や推計、広告やキャッチコピーに惑わされず、きちんと自分で事実を見極めて、自分の頭で考え、「現在」をしっかりと生きることだと思います。
ともすると、キャッチコピーや政府発表などにより誤解しがちですが、何よりも最後に頼れるのは自分自身です。
ところで、以前にも「100年〇〇」というキャッチコピーが流行りました。それは「100年安心」を謳った年金改革です。
これも当時、大いに謳われたキャッチコピーですが、最近になって年金だけでは生活できないと大騒ぎになりました。当該キャッチコピーが登場したのは2004年のころでしたが、たったの15年しか経っていません。
これを考えると、政府が掲げるところのキャッチコピーというものがいかに信用ならないか、私たちはよくよく、自分の頭で考える必要があると思います。
キャッチコピーは怖いです。