遺言が複数出てきた場合、どの遺言が優先しますか。
被相続人の死亡後に遺言が二つ出てきて、相互に内容が異なる場合、どちらの遺言が優先するのかという問題があります。
たとえば、2011年10月10日付の遺言(A遺言といいます。)と、2016年4月1日付の遺言(B遺言)がある場合、どちらの遺言を優先すべきかという問題になるのです。
この点、いずれの遺言も形式的な有効要件は満たしていたとした場合には、後に作成されたB遺言が優先します。
より具体的には、A遺言とB遺言の内容のうち、抵触する箇所についてはB遺言をもってA遺言の内容を撤回したものとみなすこととなるのです(民法1023条1項)。
その結果、抵触した範囲ではB遺言が優先することとなります(抵触しない部分があればについてはA遺言もその効力が残ります。)。
結果、後に作成されたB遺言の内容にしたがって遺産分割が行われることとなります。
執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所