相続放棄をしたいのですが、どうすればよいですか。
【目次】
1 相続放棄とは
2 相続放棄の手続きについて
3 相続放棄後の流れについて
【本文】
1 相続放棄とは
相続放棄とは、法定相続人が、遺産の相続を一切放棄することです。法律上は「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」(民法939条)とされ、相続放棄の結果、その者は最初からそもそも相続人とならなかったものとみなされます。
相続放棄をすると、その者は遺産の一切を相続しないこととなります。なので、一部の財産だけは相続したいとか、債務だけは放棄したいという放棄の仕方はありません。
2 相続放棄の手続きについて
相続放棄をするためには「その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」とされています(民法938条)。そのため、単に自分は相続をしないと他の相続人に宣言したりするだけでは相続放棄の効果は生じません。
また、相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。相続放棄の申述は、相続人が、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に・・・しなければならない。」とされています(民法915条1項)。
この相続放棄の申述期間は厳密に守らないといけませんので注意が必要です。場合によっては申述期間の延長も可能なので相続放棄をするかどうかを迷った際にはご検討ください。
その他、相続放棄の申述書の書き方などは以下の裁判所のウェブサイトをご参照ください。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
3 相続放棄後の流れについて
相続放棄をした場合、その者は最初から相続人とならなかったこととなるので、たとえば第一順位の相続人全員が相続放棄をした場合には、第二順位の法定相続人が相続人となります。仮に第二順位の法定相続人が全員相続放棄をしたような場合には第三順位の法定相続人が相続人となります。