【ブログ - ワタシをミカタに】 事務所HPリニューアルのお知らせ
【トピックス】新サイトリニューアルのお知らせ

よくあるご質問

弁護士や法律事務所の選び方のポイントについて

【目次】
1 弁護士選びが難しい理由について
 ⑴弁護士選びの難しさと弁護士選びのポイントについて
 ⑵弁護士選びが難しい理由について
 ⑶日本の弁護士数と対人口比などについて
2 弁護士選びのポイントについて
3 ①取扱分野について
 ⑴取扱分野の確認の重要性
 ⑵取扱分野の整理について
4 ②法律事務所への物理的なアクセスについて
 ⑴法律事務所へのアクセスについて
 ⑵電話相談やオンライン相談について
5 ③弁護士の経験について
6 ④弁護士の人柄や性格、自分との相性について
7 ⑤弁護士の対応や方針について
8 ⑥弁護士費用について
9 まとめ
 
【本文】

1 弁護士選びが難しい理由について

 ⑴弁護士選びの難しさと弁護士選びのポイントについて

  「弁護士選びは難しい。」
  弁護士である私自身がそう思います。となると、弁護士を選ぶ側の立場であればより一層、難しいと感じるのは当然のことだと思います。そこで、このコラムでは以下、難しい弁護士選びを少しでも容易にできるよう弁護士選びのポイントを紹介していきます。
 

 ⑵弁護士選びが難しい理由について

  ただ、その前にどうして弁護士選びが難しいのかをご説明したいと思います。
  弁護士選びをするタイミングは、自分が受けた被害や、巻き込まれたトラブルなどの法律問題に関し、その解決のため弁護士への相談や依頼が必要になった時だと思います。
  しかし、日常生活の中では多くの方が法律問題など意識することなく過ごしていますし、仮に何らかのトラブルに遭遇したとしても常に弁護士への相談や依頼をする訳ではありません。そもそも、弁護士への相談が必要になるような出来事も、そう頻繁に起きる訳ではありません。
 
 また、そもそも身の回りに弁護士の知り合いもいないことも多いでしょうから、いざ弁護士を選ぼう、探そうとなると一から始めないとならないのです。
 
 さらに、弁護士は医師とは異なり、必ずしも「専門分野」に特化しているとは限らず、多くの法律事務所では「複数の分野」を取り扱っています。そのため弁護士選びをする側からすると、「どの法律事務所が自分の抱えたトラブルに詳しいのか」の判断がつきにくいのです。
 
 加えて、最近ではネットを始めとした法律事務所の広告やウェブサイトによる情報が非常に増えており、溢れる情報の中から自分にあった弁護士、法律事務所を選ぶことが難しくなっているのです。
 これらの理由から、弁護士選びは本当に難しいものとなっているのです。
 
【弁護士選びが難しい理由】
・弁護士に相談する機会は多くない事
・身の回りに弁護士はそうそういない事
・相談したい分野が得意な弁護士を探すのが難しいこと
・弁護士の情報も溢れていること
 

 ⑶日本の弁護士数と対人口比などについて

  ちなみに、日本の弁護士の数や人口比について整理をすると以下のとおりです。日本では東京が一番、人口当たりの弁護士数の比率が高いものの、それでも672人に一人しか弁護士はいないのです。岡山県や香川県になると約5,000人に一人の割合にまで下がるのでやはり弁護士選びは難しくなります。
 
弁護士数(2021年3月末時点);43,206人
日本の総人口(2022年7月1日時点);1億2512万5千人
人口一人当たりの弁護士数;2,921人あたりに一人
東京都民一人あたりの弁護士数;672人
岡山県民一人あたりの弁護士数;4,644人
香川県民一人あたりの弁護士数;5,005人
 
 

2 弁護士選びのポイントについて

  では、以上のように難しい弁護士選びの際のポイントですが、私なりにいくつかの視点を上げてみたいと思います。これらのポイントについて、次項以下で詳細に説明をしたいと思います。
 
 ①取扱分野について
 ②法律事務所への物理的なアクセスについて
 ③弁護士の経験について
 ④弁護士の人柄や性格、自分との相性について
 ⑤弁護士の対応や方針について
 ⑥弁護士費用について
 
 
 

3 ①取扱分野について

 ⑴取扱分野の確認の重要性

  相談者の方が抱えている法律問題やトラブルについて、相談をしようと思っている弁護士が取り扱っているかどうか、これはまさに弁護士選びの際に第一に確認が必要です。
  まずは相談をしようと思っている分野についてきちんと取り扱いがあることをネットなどの情報で確認をしてください。その上で、さらにはその分野についてしっかりとした知識や経験があるか、加えてその分野についてしっかりと取り組んでいる弁護士かどうかを確認することが大切です。
 弁護士としての商売上の理由からウェブサイトや広告でその分野についての取り扱いがあると謡い、かつ経験も豊富であるように宣伝しているものの、実際にはあまりまだ経験がないとか、商売上の理由で宣伝しているだけなので決してその分野に熱心ではないとかというケースが実は結構あります。  
 

 ⑵取扱分野の整理について

  取扱分野の整理については、以下のように整理をしてみることをお勧めします。これらの分類に従って、相談しようと思っている弁護士や法律事務所のウェブサイトなどを確認し、自分の相談したい事柄についての取り扱いや経験の有無などを確認してみてください。
  とりわけ、以下の分類の中で「〇〇側」と整理をしている分野については、弁護士によって、いずれかの立場でしか相談や依頼を受けないと決めていることも少なくないので注意が必要です。
 
・離婚問題(離婚、親権、財産分与、養育費、面会、慰謝料など)
・不倫問題(不倫をされた側、してしまった側)
・遺産問題(遺言書作成、相続放棄、遺留分侵害額請求をする側、遺留分侵害額請求をされる側、遺産分割、遺言無効など)
・インターネット誹謗中傷問題(書き込みなどをされた側、書き込みなどをした側)
・交通事故(被害者側、加害者側)
・刑事事件(被疑者被告人側、被害者側)
・労働事件(使用者や会社側、労働者側)
・消費者被害
・医療過誤(医療機関側、患者側)
・債務整理
・商事事件
 
 
 

4 ②法律事務所への物理的なアクセスについて

 ⑴法律事務所へのアクセスについて

  法律事務所の敷居は高いと昔からよく言われますが、実際に勇気を出して相談や依頼をすることになれば、多くのケースでは法律事務所に足を運ぶことになります。
  また、何度か相談に通うとか、実際に依頼をするとなると、一度のみならず法律事務所に行くことになるため、法律事務所へのアクセスの良さは重要になってきます。
  この点、都心の法律事務所であれば、駅から近いなどの理由で選ぶことも多いでしょうし、地方都市になれば車で行きやすいとか駐車場があるということも大きな理由になると思います。
 
 

 ⑵電話相談やオンライン相談について

  他方で、以前から電話相談を広く実施したりする事務所も少なくありませんし、ここ数年の間には、オンラインでの法律相談も相当浸透してきています(ちなみに、当事務所では電話相談は行っておりませんが、オンライン相談は行っております。)。
 
 
「ZOOMを利用してのオンライン(非来所型)法律相談の実施について」
 
 
  電話相談や、オンライン相談は確かに気軽ですが、利用の際には「電話だけで十分に事情や気持ちは伝わるか。」ということを十分にお考え頂けたらと思います。
 
 また、オンライン相談であればお互いの表情も見えるし、資料も画面で示せるので電話相談よりも遥かにメリットは大きいのですが、それでも音質や画質の問題、電波状況の問題などから限界があるのも事実です。
 
  最近では、都心の法律事務所が、遠方からの相談者を電話相談等で手広く受け付けた上で受任をするケースも非常に増えていますが、残念なことに途中解約の上で当事務所が再委任を受けるケースが多々あります。
 
  要するに、人生に一度あるかないかの重大な出来事の解決のために、会ったこともない弁護士に依頼をしてみたものの、進め方などの点でうまくいかず、途中解約になってしまうのです。
 これは時間的にも精神的にも費用的にも非常に大きな損失に繋がりますのでやはり「実際に会ったことのない弁護士への依頼」は慎重に検討されてはと思います。
 
 

5 ③弁護士の経験について

  続いて、弁護士の経験についてです。3でも説明したとおり、相談依頼をする弁護士が、当該分野について取り扱いがあったとしても、その経験がどの程度のものかはよく確認が必要です。
  とはいえ、電話の際や相談の際に、「どの程度の経験がありますか。」と正面切って聞くことはしにくいことと思います。
  なので、今時であれば、自分が相談をしようと思っている分野についてホームページなどに十分な情報を上げているかどうかを一つの目安とすれば良いと思います。
  その際、単に表面的に「〇〇の分野に特化」とか「〇〇の分野に精通」とかという表現に惑わされず、当該分野についての法律コラムを複数書いている、当該分野についての解決事例が紹介されている、当該分野についての依頼者からの前向きな口コミがある、当該分野についての有名な事件を担当している、当該分野についての著作があるなどの情報を重視してみてください。
  なお、弁護士として何年くらいのキャリアがあった方がよいかという点については、およそ3年程度の経験があれば弁護士としての一通りの経験があるし、特定の分野についても一人前としてのキャリアを積んでいることが多いと思います。なので、その程度の経験があれば、問題なく相談や依頼の候補として考えて構わないと思います。
 
 

6 ④弁護士の人柄や性格、自分との相性について

  弁護士の人柄などについては割と弁護士選びの際に重要視されがちです。
病院選びや医師選びの際も同様ですが、自分に起きた非常に大きな人生に関わりかねない事柄について、不安な気持ち、分からないことで一杯の中、いくらその分野の知識や経験、技術があるとしても、非常に冷たい態度で切り捨てられたり、冷めた対応をされたりということでは任せるものも任せられないという意味では当然のことだと思います。
 
 そのため、弁護士の人柄や性格が自分に合いそうかどうかも非常に重要になってきます。
 
 しかし、人柄や性格などは会ってみないと分からないことも多いのが難点です。
この点、やはり今どきであれば、法律事務所によってはしっかりと弁護士の個性、人柄、性格を前面に押し出すような形でホームページを作成していることも多いと思いますし、最低でも写真は掲載しているでしょうから、その写真から伝わる雰囲気で感じ取ることもできると思います。
 
 可能であれば弁護士が直接書いた文章、コラム、ブログやTwitterを閲覧しておくことでその弁護士の個性や性格はかなりつかめると思います。
 
 また、やはりGoogleマップなどに掲載のある口コミの中に、相談者や依頼者の方が残した弁護士の人柄などに対する言及に注目するのも良いと思います。
 
 ちなみに、やはり他の法律事務所や弁護士に冷たくあしらわれたとして当事務所にご来所になるご相談者様も少なくありません。弁護士はやはり「頭がいい」人が多いのは事実で、そのような人たちが時折、相談者の方の整理しきれていない相談内容や説明、不十分な資料や理解不足にイライラした態度を示したり、きつい口調になったりすることがあるようなのです。
 
 しかし、弁護士は専門家として、そのような「素人」の方に手を差し伸べ、解決に向けて同伴し、解決後には依頼者の方が一人でまた次に向かって歩んでいけるように支える立場にあります。
 したがって、そのような意味でも相談者、依頼者の方が自分にとって合う弁護士をしっかりと見つけて欲しいと思います。
 
 なお、弁護士選びの際に、「親身になってくれる弁護士」という視点で選ぶことも多いと思います。この点、抱えた悩みに寄り添い、解決まで導いてもらうためには親身な弁護士というのは確かにありがたい存在になります。
 ただし、ただ単に親身であるだけで「最善の結果」に繋がる訳ではない事には注意が必要です。場合によっては一見クールで冷静だけれども、アドバイスとしては的確で相手方に対しても毅然とした態度で交渉に臨んでくれる弁護士の方が良い結果をもたらすこともあるからです。
 
 

7 ⑤弁護士の対応や方針について

  以上のようにして、自分が通いやすい場所にある法律事務所を選び、自分が相談や依頼をする内容を取り扱い、経験もある弁護士を見つけ、性格などの相性も悪くないとなった後に検討すべきは、当該事案についての弁護士の対応や方針についてです。
  あるトラブルに遭ったからその解決のために弁護士に依頼をするとなっても、そもそも「どのような解決」を導くのか、その解決のために「どのような方法や手段」をとるのかは弁護士によって本当に千差万別です。
  離婚ひとつとっても、親権争いはもう諦めなさいと言うのか、はたまた粘り強くこういう手段をとってみましょうと勧めてくるのか、財産分与については分与の割合は1:1で決まっていますとしてしまうのか、はたまた寄与割合の変更を主張してみましょうと提案をしてくるのかなど本当にひとつひとつ異なってきます。
  また、ある判断をしないといけない時に、弁護士としての考えを強く押し付けるのか、それとも依頼者の考えを尊重するのかなども異なってきます。
  なので、当該事案についての弁護士の方針やスタンスについても重要なポイントになると思います。
  ただ、この問題は、6で説明をした弁護士の人柄などが自分に合っていればおのずとうまく進むだろうとは思います。
 
 

8 ⑥弁護士費用について

  最後に弁護士費用です。
  依頼者の方にとって、多額の費用負担をお願いすることになる弁護士費用ですが、安ければ安い方が良いとか、いくらでも出せれば出した方が良いという事ではなく、やはり「適正な額」があると私は考えています。
  弁護士は医師と異なり社会保険による公費負担なくほぼすべてを依頼者から頂く弁護士費用にて成り立たせています。そのため、安い費用ばかりで受任をしていれば弁護士稼業として成り立ちません。いくら優秀な弁護士でも、経営的に成り立たない状態になってしまえば廃業余儀なしなので、社会的な損失にもなってしまいます。
  他方で、一般の方には分かりづらい弁護士費用というものを逆手にとって、本来想定され得る範囲を越えて多額の費用をとるようでは弁護士として失格です。
  なので、やはり自分が負担できる範囲で、当該事案や弁護士の経験などに照らして「適正な額」をきちんと見極めて頂く必要があります。
  当然、これだけでは判断が難しいでしょうから、相談をしようと思っている法律事務所のウェブサイトにしっかりとした分かりやすく具体的な費用の説明があること、相談の際に費用の説明を受けて納得できたことを目安に決めると良いと思います。
  なお、一部の法律事務所で着手金無料を謡うところがありますが、途中解約の場合に解約金を徴求したり、報酬の額が非常に高額であったりすることがあるので注意が必要です。このような費用設定の場合には、着手金を支払い、報酬を支払うという形式の法律事務所よりもかえって総額としては高額な負担になっていることがままあるのです。
 
 

9 まとめ

  以上、弁護士選びのポイントについてひとつひとつ説明をしてきました。多くの方にとって弁護士は人生に関係のない、必要のないものだと思います。
  しかし、ひとたび必要になった場合には、適切な弁護士選びが自分のその後の人生を決めてしまうほどの影響をもつことがあります。
  なので、弁護士選びが必要になった際には慎重にしっかりと行って頂きたいと思います。
 
執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
 
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所
 
 

関連Q&A

TOPに戻る
お問い合わせご相談・来所予約