不親切な検察官
検察官は、警察が捜査した事件を踏まえ、追加で捜査を行います。
その上で、当該事件について、「起訴」「不起訴」の処分を行います。
起訴となれば裁判所で裁判が行われることとなりますし、不起訴となれば裁判は行われずに事件としては終了します。
そのため、被疑者にとってみれば、「起訴」されたのか、「不起訴」となったのかとても気になることです。
起訴となれば起訴状が交付されるのでこれにより自分が起訴されたことを知ることができます。
他方で不起訴となった場合には起訴状その他何らの書類等を受け取ることもありません。
しかも、検察官は「不起訴」とした場合でも、被疑者からの「請求」が無い限り「不起訴」にした事実を積極的に告げる必要がありません(刑事訴訟法259条)。
なので、被疑者としては、折を見て自分から検察官に対し、「不起訴」になったのか否かを聞く必要があるのです。そうしないかぎりいつまで経っても自分にかけられた嫌疑について、処理が終わったのか否か判然としないままとなります。
先日も、私が担当した事件で、検察官から何の連絡もなかったことから、不起訴処分となったのか否かが判然としないままのものがありました。急いで確認したところ、すでに不起訴となっていました。
この件は、完全に被疑者があらぬ罪で逮捕勾留され、後に準抗告を申し立てた結果、勾留取り消しとなった案件であったにもかかわらず、検察官は自らは何も被疑者に報告すらしないのです。
このように、法律の建前通りにしか動かない検察官、一人の人間に対し冤罪で逮捕勾留という重大な処分をしたにも関わらず、謝罪どころか不起訴としたことすら告げない検察官に対し、法の冷たさを感じました。
だけど私は、あくまであらゆる事件で一人の弁護士として、で「法に熱意を込めて」戦いたいと思っています。
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