長年他人の土地を占有していた場合、その権利を取得できると聞きましたが本当ですか?
民法には、時効取得という制度が定められています。
これは、20年間所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した場合に所有権を取得できるというものです(占有の開始時点で善意無過失、すなわち自分の物であると信じ、そのことについて過失がない場合であれば、10年間の占有で時効取得が認められます。)。
したがって、この要件を満たし、裁判で立証できれば他人の不動産などでも自分の権利として主張することができるようになります。
注意すべきは、「所有の意思」の有無です。単に他人から借りた土地を長年使っていただけではこの「所有の意思」が認められません。なぜなら他人から借りた場合には、「所有の意思」ではなく、「他人の土地を借りて使う意思」しかないからです。
執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更