浮気、不倫の際の慰謝料相場について、示談交渉の場合と裁判になった場合とで異なりますか。異なるとしたらどれくらい異なりますか。
訴訟の際の不倫の慰謝料請求はおおざっぱに150万円前後で決まることが多いようです。よほど長期間かつ悪質な事案で400万円以上が認定されているようです。
他方で、不倫の慰謝料について、示談で決着がつくケースでは金額にばらつきがあります。
高額な事案では1000万円以上の慰謝料を支払うケースもあり、他方で少額な事案では数十万円でおさまるケースもあります。
どうして示談のケースの方が高額になることがあるか、ですが、これはもっぱら慰謝料を支払う側の早期解決の意向が強いケースが多いと思います。
すなわち、交渉であれば極めて短期間に決着がつきなおかつ、訴訟と異なり公にならずに済むことから、高額であっても支払うということです。
結局、示談解決と引き換えに、不倫という問題を秘密にできるという利益を受けるために高額な示談でも応じるといえます。
したがって、訴訟と異なり、示談の場合には一概に慰謝料の相場を算定しづらい側面があります。
執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更