三菱従業員の休業補償について
今日の報道をみると、三菱自動車から労組に、休業期間中の賃金として基本給等の80%超の提示があったとのことです。
いちおう、労基法上の60%補償の基準は越えているのですが、民法上は100%補償すべき事案だと考えます。
三菱自動車としてはできるだけ休業期間中の賃金をカットしたいところでしょうから、「80%でなんとかお願い!」といったところでしょうか。
従業員の方々も、「80%なら仕方ないか、、、、」となってしまうのが心情でしょうか。
差額の20%も請求すれば通る事案ではないかと思うので、不正をしておきながら80%に収めようとしている三菱自動車のスタンスに納得のいかない気持ちです。
雨続き
昨日、今日と雨です。
ずっと降り続け、途中いったんやんだりしてもまた降りだしたり。
2日も続けて降るなんて、梅雨のようです。
でも、連休も終わり、すでに5月中旬に差し掛かろうとしています。
何だかんだ言っているうちに本当に梅雨に入ってしまいそうです。
三菱自動車による賃金カットの提示について
報道によると、三菱自動車が自宅待機中の従業員の賃金に関し、組合側へ賃金カットの打診をしたとのことです。
ところで、会社側の責めに帰すべき事情による休業の場合、労基法26条では平均賃金の60%を支給しなくてはならないとしています。
そうすると、どんなに会社が悪いことをしても、従業員に責任がまったくなくてもたったの6割の賃金しか補償されないかのように誤解しがちです。
しかし、そもそも民法536条2項において、債権者の責めに帰すべき事由により債務を履行することができなくなった時には、債務者は反対給付を受ける権利を失わない(債権者主義)と規定されています。
これは、「労働者の労働力の提供を受ける債権者(=会社)の責任により労働力を提供できなくなった場合には、債務者(=労働者)は反対給付(=賃金)を受ける権利を失わない(=全額もらえる)」という意味です。
なので、民法536条2項を根拠に、100%全額の賃金を請求することができます。
そして、労基法26条の規定は、あくまで60%の賃金を支払えば労基法上の罰則を会社が逃れることができるという趣旨であり、60%を超える部分の賃金は一切支払う義務がない、という意味ではないということです。
なので、民法536条2項に該当するケースにおいては、あくまで100%の賃金が請求できます。
この点、冒頭での報道の件は、三菱自動車が労組と交渉し、最終的には個別の従業員との個別合意をとりつけることで、賃金のカットを実現しようとしているものと推測されます。
当然、この賃金カットに応じる法的義務はありませんが、会社の存続と自分の立場とを天秤にかけさせられ始めたということだと思います。
三菱自動車による燃費不正問題について
4月20日に公表された三菱自動車による燃費不正問題について、以後、ずっと報道に注目しています。
というのも、このような不正は極めて長年に及ぶ意図的なものであり、企業としての悪質性が非常に高いからです。
「不正は許さない」を常に頭に置きつつ仕事をしている立場としては、三菱自動車という日本の大企業による不正を放っておけない気持ちがとても強いです。
この度の不正ですが、下請け企業、従業員、消費者、株主をみな騙したものであり、なおかつこれらの方々に多大なる損害を与えています。
下請け企業の中には破産に追い込まれる会社も多数出てくると思います(三菱自動車関連下請け企業は1300社に及ぶとの報道もありました。その従業員の数もとても多いのです。)。
三菱自動車水島工場の従業員のうち1300人ほどは自宅待機となっています。
現時点で明らかになっている問題の車種は60万台は出荷されており、それはすなわちそれだけの消費者を欺いたことを意味します。
株価も半値以下に暴落です。
これだけの大問題に関し、私は弁護士として黙っていられません。
今後の三菱自動車による対応もまだ定かではありませんが、弁護士としてできること、やらなくてはいけないことを自分の力の限り尽くすことを決めました。
何としてもこの不正に対する適切な措置が必要です。
疲れる会議
どんな会社や組織でも、会議ってすると思います。
会議っていろいろなことを議論し、大事なことを決める場なのでとても大切です。
でも、「長すぎる会議」ってすごく疲れませんか??
ひとつひとつのことを議論して決めるのも大切ですが、メリハリや優先順位を意識しないで議論し始めるとどんどん時間ばかりが過ぎて行きます。
私はたいがい、1時間から1時間30分がいいところで、それを過ぎるとほぼ完全に集中力が切れます。
普通は人間の集中力なんてその程度だと思うのですけどね。
会議が長くなり過ぎないためには、①議長がバリバリ仕切る、②議論にメリハリをつける(どうでもいいことを延々と議論しない)、③終わりの時間を決める、ということかなぁと思います。
なので、私が議長の会議はいつもスピーディです。
日本は労働生産性が低い、なんて言われますが、それは長すぎる会議にも原因があると思います。
無駄な会議は止めて、もっと有効に時間を使いたいものです。
水出しコーヒー
最近、だいぶ暑くなってきたので、夏向けドリンクに移行中です。
今年は、新たに水出しコーヒーに挑戦します。
水出しコーヒーって喫茶店メニューなイメージですが、結構手軽に作れるようです。
昨日、さっそく試しに作り、さきほど試飲をしてみました。
「まろやかな口当たりで美味しい!」
ということで、今年の夏は水出しコーヒーで涼しくおもてなしです。
作り方の詳細は、、、よかったらおたずねください!
なぜ、不正をするのか。
自動車会社の不正事件が続いています。
この世に生じるすべての「不正」は当然のことながらすべて人の手によるものです。
では、人はどうして不正をするのでしょうか。
それは、不正によって成績や結果を良く見せるためです。
ではどうして成績や結果を良く見せるのでしょうか。
それは結局会社の業績、世間での評判、自分の利益のためです。
本当は不正をせずに、自分や会社の持てるだけの力で商品を開発し、顧客をつかめばよいのですが、社会での過当な競争が人を不正に導くのでしょう。
では、この世の中から不正をなくすにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、
一つ目は、競争を止めること、
二つ目は、競争に負けても構わない、競争がすべてではないという価値観を持つこと、
です。
とある自動車メーカーは自社にしかできない商品に特化し、業績を伸ばしました。ある意味で「競争を止めた」といえます。
しかし、この度発覚した不正は、まさに「燃費競争」に入り込み、そこから抜け出せなくなってしまったがために生じたと言えます。
人や企業が成長するためには競争が必要です。しかし、行き過ぎた競争は、いずれ破たんし、不正に結び付きます。企業の不正によって不利益を受けるのは結局は市民です。
企業による不正なき社会が必要ではないか、そのために自分には何ができるのか。色々と考えています。
いろいろとあります。
今年の4月はなんだか、もの凄くいろいろな出来事が次から次です。
公私ともに、どうしてこんなに、、、というくらい色んなことが起きています。
まだあと1週間あります。
自分の健康にも気を付けながら、日々起きる出来事に正面から向き合いたいと思います。
戦うエネルギー
弁護士の仕事は戦いです。
常に相手方がいて、その相手方と法律や証拠を武器に戦います。戦いなので体力がいります。非常に体力がいります。
また、体力だけではなく、精神的にもエネルギーがいります。体力は体を鍛えればよいのですが、精神的なエネルギーについてはちょっとそうはいきません。
精神的なエネルギーは生まれ育った環境などに大きく左右される気がします。
年齢に関係なく、もの凄い闘志で向かってくる弁護士もいます。
精神力が強いのだと思います。
若いのに、大した気迫のない弁護士もいます。
闘争心が足りないのだと思います。
弁護士の仕事は戦いなので、相手方の弁護士の体力、精神力なども見極めて戦いに挑むのです。
「仕事のやり方」(疑問)
ある人が
「仕事のやり方を教えてくれたら頑張って働き、うまく成果を挙げます。」
と言っていました。
これを聞いて私は疑問を覚えました。
なぜなら、「仕事のやり方」などどこにも無いし、あったとしても他人に簡単に教えられるものでないからです。
たしかに、仕事をする上で、書類や伝票を作る、経理をする、銀行に行く、料理を作る、工事をするなどといった作業のやり方を教えることは可能です。
しかし、それらは、とある職業の、とある作業の一部分でしかなく、仕事の全体像ではありません。ましてや、仕事の最終的な成果でもありません。
それぞれの仕事の最終目標、最終成果は、お客さんに満足してもらうこと、幸せになってもらうことだと思います。
しかし、どうしたら満足してもらえるか、どうしたら幸せになってもらえるかのノウハウなど無いと思うのです。
あらゆる職業において、それぞれの持てるノウハウや知識、経験を前提に、自分の価値観や人生観をお客さんにぶつけて提供し、それをお客さんのニーズに適切にマッチして満足してもらえた時、初めて本当の意味で仕事の成果があったと言えると思うのです。
なので、冒頭の問いを発した方は、仕事の持つ意味、価値観が私とは全く異なると感じました。単に、表面的な技術や知識を売りにするだけで本当の意味の仕事の成果は得られないと思います。
このことは人生に例えられるかもしれません。
人生には、「上手な生き方」などありません。誰もそんなことを知らず、日々生きています。それでも、一生懸命に生きた人はきっと幸せだと思います。同じく、一生懸命に仕事をした人もまたきっと幸せだと思います。
幸せな人生を送った人は、きっと周りも幸せにすると思います。幸せな仕事をした人もきっと、周りを幸せにすると思います。
仕事にも人生にもノウハウなどないけれど、一生懸命に取りくむことがよい結果につながると思います。