払いたがらない保険会社
交通事故に遭い、加害者側の保険会社と折衝すると、治療費含めて払い渋りに遭うことがあります。
「事故から3カ月になるので治療打ち切りとして欲しい」
「整骨院の治療費は出せない」
「慰謝料は〇〇円が限度」
「修理代として頂いた見積もりは高すぎるのでこことこことはカットして欲しい」
などなど挙げだしたらきりがありません。
そんな保険会社担当者とのやりとりに辟易としてご相談に来られる方がとても多いです。
そんな保険会社の対応について、その理由を少し説明すると、次のようになります。
➀保険会社としては、「適切な金額」の支払をモットーとしている
②「適切な金額」は、「被害者の方の言い値」でもなければ「加害者の方の認めた金額」でもなく、まずは保険会社として持っている会社としての指針に沿った金額である。
③その意味での「適切な金額」から外れる金額は、保険会社としては支払えない。
④ただし、保険会社の考える適切な金額が、裁判なりで「間違っている」と判断された場合には、裁判所の金額に従って速やかに支払う。
ということです。
これを、保険会社が保険契約者から受け取る保険料収入の面から説明すると次のようになります。
➀保険会社は契約者の保険料により運営されている。
②保険契約者は、事故の時、適切な金額を相手方に支払ってもらいたいと考えている。
③他方で、加入する保険の保険料が高すぎるのは困る。
④なので、適切な保険料を支払い、その保険料から保険会社が、被害者に適切な金額を支払うこととしてもらいたい。
ということです。
その意味で、「適切な金額」を維持しないことには、賠償金が多額になり、ひいては保険会社に支払う保険料が(青天井に)高くなってしまい、結局、保険制度自体が成り立たなくなるということになるのです。
被害者からすれば、「できるだけ高い賠償金が欲しい」となりますが、保険契約者一般からすれば「保険料は安い方が良い」となりますので、今一度、ご自身の加入保険の保険料と、実際に事故になった場合の賠償金の在り方とを相互に照らし合わせて考えるのが良いと思います。
トラックバック
トラックバックpingアドレス:https://kakehashi-law.com/xoops/modules/blog/tb.php/827