この人なら!
誰でも、「この人が言うことなら信じる!」「この人のやることなら任せて大丈夫!」と思ってその人のことを信用して任せるなどした経験があると思います。
逆に、「この人の言うことは信じられない。」「この人のやることは任せられない」という経験もあると思います。
このように、その人の言うことややることの本当の中身は別に、その信用性を判断することは、その人の地位や身分、外見や日ごろの言動などからもたらされるもので、「ハロー効果」と言われます。
要するに、その人の言うことややることが本当に信じられるかどうか、任せられるかどうかの判断に際して、その人の地位などが極めて大きな影響を与えているということです。
よく知られる話としては「オオカミ少年」ですね。嘘ばかりついていたら、本当にオオカミが来た時に誰も信じてくれなかったというものです。
他にも、自分が好意を寄せている人に対しては、その人の発言を信用し、その人の行動を善意的に解釈しがちです。自分が好意を持っている人であるため、「この人の言っていることは正しい」とか「この人は良いことをする」と判断する方向に作用するのです。
そして、ハロー効果が行き過ぎると、実際には嘘をついていてもその人を信用してしまったり、その人の行動を過剰に美化したりしてしまいます。詐欺師はこのような行動認知を悪用し、悪さを働きます。
このように、人の行動認知においては、ハロー効果が大きな影響を持つので、自分の発言や行動について、周囲から「信用」してもらおうと思った場合には、単に「言っていることが本当に正しい」とか「やっていることが本当に正しい」という問題とは別に、「この人の言うことは正しいに違いない」とか「この人のやることなら任せて問題ない」と思ってもらえるような工夫や努力が重要です。
「人は見た目が9割」という本もヒットしましたが、これもそのようなハロー効果の重要性を念頭に置いていると思います。
また、今回の西日本豪雨では、避難指示が多数でましたが、なかなか実際の非難行動につながらなかったという問題があります。これは今後、改めて検討が必要な重要な問題ですが、(今回の豪雨に限らず、それ以前の大雨の際にも)避難指示が多数出過ぎていて人々が、オオカミ少年を信用しなくなったのと同じ心理状況に置かれたともいえます。
人の発言や行動の真偽を判断する際には、自分が「ハロー効果」の影響を受け過ぎていないか、慎重に考えるクセを持つと良いと思います。
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