デジタル難民
何でもかんでもデジタル化、機械化が進んでいます。同時にデジタル化、機械化に伴い省人化も進んでいます。
スーパーやユニクロでのセルフレジ、回転寿司でのタブレット注文、定食屋での券売機などあらゆる場面でデジタル化による処理がなされています。
企業側にとっては非常にメリットが大きく、利用者にとっても、会計が早く済むなどのメリットがあります。
しかし、これらデジタル化には、この流れに「ついて行ける人」と「ついて行けない人」がいることに留意が必要です。
当然、デジタル化は、ついて行ける人を念頭に構築されておりますが、ついて行けない人に対する手当を忘れてはいけません。
ところが、あらゆるデジタル化の場面で、この手当が十分になされているかというとそうではなさそうです。
たとえば先日も、定食屋での券売機の前でご高齢のご夫婦が何分も何分もタッチパネルの前でご自身の選びたいメニューに辿り着けず苦労していました。
私はすぐに声をかけて、お二人のご希望のメニューを教えてあげました。
他にも、同僚に聞いた話では、回転寿司にて、タッチパネル操作ができない隣のお客さんが、同僚の注文した寿司を次々と「先取り」して食べてしまっていたそうです。
タッチパネルで注文できないので、レーンを流れてきたものを、(同僚が注文したものと知らずに)パクパクと食べていたということなのです。
この話し自体は何だか笑い話のようではありますが、事の本質としては、デジタル化について行けない人への配慮が足りていない現代社会の無味乾燥した冷たい風潮にあるように思います。
定食屋でも回転寿司屋でも、どうして店員がこの方たちが困っていることに気が付き、できる配慮をしてくれないのでしょうか?
ひょっとしたらデジタル化にしてしまった結果、「注文するのは顧客の仕事であり、我々はそのことに何ら関与しない」という風潮が出来てしまっていないでしょうか?
デジタル化による省人化は賛成ですが、そのことで残される人々のことを切り捨てて良いことにはならないと思います。
デジタル化はあくまで人々の生活がより豊かになるための道具に過ぎないのですから。
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