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法律の庭

モラハラ夫との言い掛かりを排斥する方法

このコラムでは、配偶者からモラハラとの指摘を受けたり、モラハラを理由とした離婚を求められた場合の反論や対応策について具体的に解説をしています。

 

昨今、モラハラが増えていることは事実ですが、同時にいわれのないモラハラの指摘も増えています。

 

あらぬモラハラのレッテル張りに対してお困りの方はぜひご一読ください。

 

 

 

【目次】

1 モラハラ主張の増大とモラハラのレッテル貼りの増大

 ⑴モラハラ被害を訴えるケースの増大

 ⑵モラハラを原因とした離婚等の請求は難しいこと

 ⑶モラハラ夫とのレッテル貼りによる被害の増大

 ⑷モラハラ夫とのレッテル貼りに対する対処について

2 モラハラ夫との主張類型ごとの対処方法

 ⑴はじめに

 ⑵①細かいルールが多い

 ⑶②暴言を吐く

 ⑷③束縛する

 ⑸④自分を正当化する

 ⑹⑤(十分に)生活費を渡さない

3 モラハラ夫とのレッテル貼りをされた際の対処のまとめ

 

【本文】

1 モラハラ主張の増大とモラハラのレッテル貼りの増大

 ⑴モラハラ被害を訴えるケースの増大

 昨今、モラハラという言葉が広く周知され、モラハラを原因としての離婚の請求や慰謝料の請求、面会拒否の事案が増えています。

この点、仮にモラハラが事実であり、かつその程度が重いため離婚原因や慰謝料事由になる場合や、モラハラの影響が子にも強く及び、子に対する悪影響が著しく、面会を実施することに相当の支障が生じる場合には、モラハラを理由としたこれら請求なども当然のことです。

 

⑵モラハラを原因とした離婚等の請求は難しいこと

 しかし、「モラハラ夫(妻)と離婚するために必要な準備について知りたい。」の「6 ⑥モラハラ以外の離婚原因を用意しておく」においても説明したように、モラハラを理由とした離婚は容易には認められません。

https://kakehashi-law.com/modules/terrace/index.php?content_id=167

 同様にモラハラを理由とした離婚慰謝料も容易には認められません。さらにはモラハラを理由とした面会拒否も同様です。

 離婚調停や離婚訴訟ではこのようにモラハラを理由とした請求自体が通ることはそう多くないにも関わらず、冒頭で指摘したようにモラハラを原因とした離婚や慰謝料等の事案は増えています。

 

⑶モラハラ夫とのレッテル貼りによる被害の増大

 その結果、実際には違法なモラハラでも何でもないのに不当にもモラハラ夫とのレッテルを貼られ、離婚や慰謝料、婚姻費用や養育費、財産分与を求められ、他方で子どもとは十分にもしくはまったく面会をさせてもらえないというケースが散見されるようになりました。

 このような事態は、モラハラという言葉やイメージが独り歩きし、これを支援ないしサポートする弁護士や法律事務所が増えたことに原因があります。

 特に悪質なケースとしては、妻が不貞行為、不倫行為をしておきながら、そのことが発覚するや否や「長年夫によるモラハラに苦しんできた」「不倫ではなく、単に夫のモラハラを相談していただけだ」「もともとモラハラにより夫婦関係は破綻していた」などという主張を展開してくる場合です。

 自らの過ちを真摯に反省もせず、あたかもこれまでの夫婦生活に大きな問題があり、それがすべて夫にあるように責任を擦り付け、あろうことかありもしない事実や些細な夫婦間での出来事を「モラハラ」と言い募り、離婚や慰謝料、婚姻費用や養育費、財産分与を求め、子との面会については強硬な姿勢をとるのです。

 

 ⑷モラハラ夫とのレッテル貼りに対する対処について

 このようなレッテル貼りに対しては、毅然とした態度で臨む必要があります。間違っても妻からのモラハラ主張に対して激昂したり、過度な反応を示したりしてはなりません。なぜならこのような対応をとれば、妻にモラハラ主張を裏付ける証拠を与えるようなものだからです。

 このことは妻の依頼した弁護士に対しても同様です。弁護士は、妻のモラハラの主張を通すために妻から聞いたこれまでのエピソードを上手に活用し、離婚協議や離婚調停、離婚訴訟などを進めようとします。その際、妻の代理人とのやりとりや、主張書面等を見て冷静さを欠けばこちらに不利な結果につながりかねません。

 そのため、妻からモラハラのレッテル貼りをされ、離婚等を求められた場合には何よりも冷静な対処が必要です。当然、弁護士委任も重要な検討事項です。

 ところで、モラハラの主張を受けた場合に、自らはモラハラなどしていないとの自信があるケースでは、「弁護士委任など自分には必要ない。モラハラなどないことは妻の家族や妻の代理人弁護士にきちんと説明すれば分かってくれるはずだ。」と思うこともあると思います。

 しかし、いったん離婚を突き付けられ、次々と理不尽な要求を求められ続けることを考えると、これらに冷静に対処し続けられる方はそう多くないはずです。

 したがって、モラハラの主張を受けた場合、モラハラのレッテル貼りをされた場合にはとにかく冷静になることと、弁護士という第三者の目線からの助言を受けることが重要だと言えます。

 その際、モラハラ妻の主張に対して冷静な目線で助言をしてくれる弁護士を選ぶことをお勧めします。

 

2 モラハラ夫との主張類型ごとの対処方法

 ⑴はじめに

 モラハラ夫との妻からの主張には、概ね以下のような類型があります。以下では、これらの主張の内容とそれぞれの対処方法をご説明します。

 

①細かいルールが多い

②暴言を吐く

③束縛する

④自分を正当化する

⑤(十分に)生活費を渡さない

 

 ⑵①細かいルールが多い

 これは、夫婦間における生活上のルールについて、ひとつひとつ事細かにルールが取り決められ、そのせいで非常に日々の生活が息苦しくなったという主張です。

 この点、どの夫婦でも明示か黙示かは問わず、夫婦として生活を送る上でのルールがあると思います。そのルールについては何をどのように取り決めるかは完全に夫婦の自由です。

また、夫婦が常にルールを一緒になって決める必要はなく、一方がルールを定め、他方がそれに応じるということで夫婦間のバランスが成り立っているケースも多々あります。

 さらに、ルールをいったん決めても後になって変更をすることも当然あり得ることなので、夫婦間のルールの取り決めはしょせんはその程度のものです。

 そうした中、夫がやたらと細かくルールを決めると主張をしてくるケースにおいては、当初はそのルールに妻も賛成をしていたとか、そもそもそのルールは夫婦で話し合って決めたとかというケースが少なくありません。

 妻はいつしか夫婦で決めたルールが気に入らなくなったところ、夫としては変更をする必要がないと考え、そのままでいるに過ぎないこともあるのです。

 そのような場合にまで夫が細かいルールを定めると主張をされてもこれはもはやモラハラでも何でもありません。

 他方で、「③束縛する」にも関連しますが、妻の行動を中心としてやたらと詳細なルールを設定している場合(外出時のルール、着衣のルール、電話やLINEでの連絡の頻度などについてのルールなど)には、個人の自由を過度に制約しているとされかねませんので注意が必要です。

 ただし、この点についても妻が以前に無断外出や外泊をしたとか、異常に帰宅が遅かったとか、異性との連絡や外出が多いとかといった事情があればモラハラとまでは評価されないこともあります。

 このように妻からの「細かいルールが多い」との主張に対しては、ルールを取り決めるに至った経緯を詳細に明らかにし、それが当然の成り行きに基づくことを主張しましょう。

 

⑶②暴言を吐く

 暴言については、どの夫婦であっても喧嘩になれば多少の暴言がお互いから出ることでしょう。すなわち、通常、暴言の大半はお互い様のことであり、必ずしも声の大きい方、体の大きい方、男性の方からの暴言のみが非難されるものではありません。とりわけ、モラハラを主張する妻においても口が立つため夫に対して夫以上に暴言を吐いているケースが多々あります。

 したがって、妻から暴言を吐くとのモラハラ主張を受けた際には、お互い様であること、むしろ妻の方が酷い暴言を吐いていることを明らかにしていきましょう。

 

⑷③束縛する

 ①の細かいルールが多いにも関連しますが、夫からあれこれと強い束縛を受けているとの主張がなされることも多々あります。

 この点、妻が主張する束縛の具体的な中身を確認し、それがそもそも「束縛」と呼べるほどのことなのかどうかを明らかにしましょう。やはり、妻の行動に問題があるため、一定の制限を課すことがありますが、それはもはや束縛と言えるものではありません。

 また、そもそも夫婦である以上は配偶者がいつ、どこで何をしているかを知ること、そのための連絡をとることは当然のことです。したがって、多少の連絡をとったくらいで束縛にあたることはあり得ません。後は束縛といっても程度問題に行き着くこと、どの程度の拘束をもって束縛というかはそれこそ夫婦によりけりだということを明らかにしていきましょう。

 

 ⑸④自分を正当化する

 これもまた往々にして妻から主張されることがあります。しかし、人は誰でも自分を正当化しながら生きていく生き物です。最初から自分を否定し、生活をするばかりではまともな人間生活とはいえません。

 その意味ではモラハラを主張する妻でさえ、自分を正当化することがあるはずです。そもそもモラハラを理由として離婚を求めてきている時点で、その妻には「自分にはこの度、離婚に至ることについて何ら非がない。」と自分を正当化していると評価できるのです。

 したがって、自分を正当化してばかりであるとの主張を受けたとしても、それはある意味で当然のことであると反論をすることになります。

 

 ⑹⑤(十分に)生活費を渡さない

 未だに男女間の賃金格差が大きいことに照らすと、夫婦のうち夫が家計の収入の大半を担っていることが多いのが実情です。そのため、婚姻費用(生活費)については夫が妻に渡すこととなります。これに対して金額に不満のある妻から上記のようなことを言われ、これがモラハラだと主張されることがあります。

 この点、夫に十分な収入があり、妻が適切に家計を管理しているにも関わらず、あれこれと理由を付けて生活費を(十分に)渡さないということであればたしかに経済的な意味でのモラハラと言えなくもなさそうです。

 しかし、そもそも夫婦間での家計のあり方には夫や妻によって考え方に違いがあって当然です。そのため、そもそも妻の家計管理は夫婦で話し合った内容で適切になされているか、無駄遣いはないかをきちんと確認することが大切です。

 また、夫が生活費を(十分に)渡さない理由が、将来のための貯蓄のためなのかそれとも夫の無駄遣いによるものなのかも重要です。

 そのような検証もないままに単に(十分に)生活費を渡さないと主張をされているようであれば、まずはこれらの点を明らかにするように求めましょう。

 これらとは別に、そもそも夫の収入が十分でないにも関わらず妻からは生活費が足りないとの要求がされることがあります。この場合には、そもそもの夫婦間での収入のあり方をしっかりと検証することが先決であり、それもないにも関わらず、妻が夫に(十分に)生活費を渡さないと主張したところでモラハラに該当し得ないことは明らかです。

 

3 モラハラ夫とのレッテル貼りをされた際の対処のまとめ

 以上のように、そもそもモラハラとの主張は容易でないこと、モラハラとの主張については個別に確認をすると決してモラハラに該当し得ない事柄が多く含まれていることに照らし、冷静かつ事実に即した対応が重要だと言えます。

 

執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
 
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所
 

 

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