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法律の庭

SNSで知り合った相手に多額のお金を支払ってしまった。国際ロマンス詐欺とのことだが、回収できるか。

1 国際ロマンス詐欺について

FacebookやLINEなどを通じてまったく見も知らない相手と親密になり、あれこれとやりとりを続けたところ、「海外送金をしたい」「自分のお金を受け取って欲しい」「報酬は送金したお金から引いてもらってよい」などとのうたい文句の結果、いつの間にか多額の費用を送金してしまうという被害が後を絶ちません。

昨今、これらの詐欺の手法を「国際ロマンス詐欺」などということも多く、その被害の深刻さが問題となっています。

 

かかる被害の深刻さを踏まえて国民生活センターでも注意喚起を促しています。

「恋愛感情や親切心につけ込む「国際ロマンス詐欺」に注意」

https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen375.html

 

2 国際ロマンス詐欺の手口

そして、この国際ロマンス詐欺の手口は

 

①FacebookやLINEなどのSNSを通じて知り合いになり

②知り合いになった後、自分の置かれた状況について詳細に状況を知らせてきて

③とある事情から多額の資金を国際送金などしたいが、やはりとある事情から自分ではそれができないと告げた上で、こちらにその送金のための協力を求め

④送金のために必要だと称してこちらに費用の負担を求めてくるものの

⑤これを信じて手続きに応じ、必要な費用を支払うものの、結局は国際送金は実現せず、支払った費用についても返金を受けられない

というものです。

 

このようなやりとりは、結局当初から国際送金という話自体が虚偽であり、国際送金を名目としてこちらから多額の費用を受け取ることが目的だと言えます。すなわち、まさしく当初から詐欺を目的とした行為ですから、明らかな違法行為と言えるのです。

 

3 国際ロマンス詐欺の被害救済の手法について

かかる国際ロマンス詐欺の被害に対しては、

 

①振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配当金の支払等に関する法律)に基づき、弁護士もしくは警察を通じて口座凍結を行う

②口座名義人を弁護士名義にて調査し(弁護士照会)、当該名義人に対して損害賠償もしくは不当利得返還請求の裁判をかける

③刑事告訴を行い、警察に犯人を逮捕してもらう

 

などの方法を通じた被害回復の余地があり得ます。

 

4 国際ロマンス詐欺の被害回復の困難性について

上記のように、国際ロマンス詐欺の被害に対してはいくつかの被害回復の方法があるのは事実です。

 

しかし、国際ロマンス詐欺にあった場合にどうやって被害回復を実現するかの最大の問題は、これら詐欺を行う人物がどこの誰かを特定することが非常に困難だという点にあります。

すなわち、単にFacebookやLINEでのやりとりしかないため、その人物がどこの誰かを明らかにすることは容易ではないのです。被害金について口座送金をしていた場合には、口座の送金先名義人は明らかなので、銀行を通じて口座名義人を調べることは可能です。

 

とはいえ、口座名義人イコール詐欺の犯人ということは稀であり、通常は詐欺をした人物は他人名義の口座に被害金を送金させています。そのため、口座名義人に対して詐欺の被害の弁償を求めても、詐欺には直接関与していないとして返還請求が必ず認められる保障はないのです。

 

さらに最近では被害金を銀行振り込みではなく、仮想通貨で支払わせることも増えてきています。そうなると、仮想通貨による送金先を辿ること、調査することは銀行口座の名義人を調査することよりも一層難しく、いよいよ犯人の特定が困難と言わざるを得ません。

 

5 国際ロマンス詐欺の被害に対する対処法のまとめ

なので、国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合には、被害回復が非常に困難だということ、それでも可能性の問題であることから早急に上記の各対処をとってみることをお勧めします。

 

執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更

 

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