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相談事例及び解決実績

【インターネットにおける誹謗中傷対策事例】

ファイル共有ソフトでいつの間にかアップされたファイルについて発信者情報開示がなされた事案

相談者:20代 男性 男性
ファイル共有ソフトのビットトレントシステムにより、自分がダウンロードしたパソコン内の動画がアップロードされてしまっていた。そうしたところ、動画の著作権を持つ会社が、プロバイダーを通じて発信者情報開示請求をしてきた。どのような民事上、刑事上の責任があるのか。また、どのように対処すべきか。
本件における問題は、次のように整理できます。

①ダウンロードしたことの問題

②アップロードしたことの問題

【①について】
1 刑事責任
 ダウンロードした動画がそもそも、違法にアップロードされたものであり、そのことを知ってダウンロードしたとなれば、法定刑が「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれを併科される」という刑事罰の対象となります(著作権法119条3項)。
 これは、違法にアップロードされたことを知っていた場合の責任なので、知らなかった場合には問題となりません。

2 民事責任
 民事上は、本来、有料で取得すべき動画を無償で取得していることから、著作権者の著作権を侵害しており、その対価を損害として支払うべき不法行為責任が生じます。


【②について】
1 刑事責任
 アップロードしたことについて故意があれば、法定刑が「10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」という刑事罰の対象となります(著作権法119条1項)。
 これも上記①と同様に故意がある場合の責任です。

2 民事責任
 民事上は、アップロードしたことにより著作権者が本来、有料で対価を得て多くの視聴者から販売対価を得ることができたのに、これを妨げたことによる損害賠償責任が生じます。
 ただし、実際の損害額の算定が非常に難しいという問題もあります。この点については、当ホームページの以下の記事に詳しく説明をしています。

https://kakehashi-law.com/modules/terrace/index.php?content_id=139





利用したシステム ビットトレントシステム
ダウンロード、アップロードしたファイル 動画
解決内容 示談金55万円の支払い
解決までの期間 2週間
以上を踏まえて本件では、ダウンロードしたこと、いつの間にかアップロードしてしまっていたことを念頭に、刑事責任を問わない反面、民事上の示談にて解決を目指しました。

結果、少額の示談で決着が付きました。

ファイル共有ソフトは自分でコントロールできないところでファイルがアップロードされてしまうことから、パソコンにこれをインストールする時点でその危険性を十分に認識しておくことが重要です。

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